ラナ ラナの三角恋愛


 こんにちは。
 ここでは、ラナについて、セリスとユリアとの関係に関して恋愛を軸にして考察します。
 「ユリアは強いな」などとは違い、セリスが語るという設定ではなく、管理人・マルチくうねるによる地の文での語りになっています。
 ゲーム版のラナの言動から想像できる考察と、私個人の思い入れや イメージとが混在しています。また、この記事のために書き起こした文章だけでなく、当ページの掲示板・ブログ等の過去の文章からの切り貼りも入れておりますので、ご了承ください。


1.ラナの性格

 一言でいうとラナは、「女の子らしい女の子」だと思います。
 優しくて、ちょっとしたたかで、人をよく観察して気持ちを察して、 好きな男の人の気を引こうと努力する。
 そんな、いかにも女の子らしい人物像です。

(1) 人の気持ちに敏感

 ラナは、この人がどう思っているか、どうしてほしいか、といった他人の気持ちを推し量るのが上手な人だと思います。
 ユリアからは「ラナ、わたしはセリス様が好きなの」などと言われたことは無いと思います。でも、何も言われていないのに「わたしはユリア様に申し訳なくて…」と言うのは、ユリアがセリスを好きだったことをちゃんと分かっているからでしょう。
 また、ファバルとの10章の会話でも、子供たちとファバルとの会話から両者の気持ちを汲み取っていたことがわかります。

 そうなった原因は、ラナの生まれ育った環境にあるのではないでしょうか。
 年上の子供たち、それもやんちゃな男の子たちとラクチェのように活発な女の子に囲まれていたラナは、周囲より力がなくて。そんな中でラナは、誰かに何かを言ったときの反応をよく見て、こういうふうに接するとこういう応対をされるんだな、と学習したのではないでしょうか。年上の兄弟に囲まれて育った人は、こういう「周囲をよく見て、対応する」人格が育ちやすいのかもしれません(一概には言えませんが)。

(2) 思いやりがある

 人の気持ちがよくわかるラナは、そのうえで、その人のことを思いやった行動をとることができます。
 「親切にしてくれるみんなのために、役に立ちたい」と思っていたユリアには、いちはやくリライブの杖をあげて。それより前、ティルナノグから出陣する際には、私には私の戦い方があります、と勇気を出して宣言しましたが、その勇気を出せた理由としては、やはり「お世話になったティルナノグの人たちのために」という気持ちが強かったのだと思います。

 これは、エーディンをはじめ、愛情に包まれた家庭で育ったことが大きそうですね。ラナ自身のもともとの素質もあるでしょう。
 ただ、ラナにとって「思いやり」というのは単に優しくしたり甘やかすことではなく。相手のためを思って、やるべきことは相手にちゃんとやらせたり、叱ってやる気を引き起こしたり、「良薬口に苦し」とでもいうような態度をとることも、けっこうあるんじゃないかと思います。

 なお、ユリアは、ラナ同様に「思いやり」はあるけれど、人生経験に裏打ちされた「人の気持ちを察する力」はラナほどではない(精霊の気を感じるようにして人の気持ちを知ることはできるかもしれませんが)、と私は思います。

(3) 押しが強い

 これは、オープニングデモの「ヨハンさんって、みためは強そうなのに…」とか、ファバルといっしょになるエンディングでの「私への誓いは?」「もう、知りません!」などの言葉、あるいはラナが独身のときのエンディングでセリスに謝られて、「だってセリス様は…(わたしの気持ちに気づいて下さらなかったでしょう、と続けるつもりだったでしょうか)」などを指します。

 ラナの人間像に存在する大きなスパイスが、この要素。普段はおとなしいシスターであるラナですが、ときどき、ずけずけとした口をきくことがあります。
 ラナはどんなときに、押しが強くなるのでしょうか?

 ひとつは、相手との力関係で上位にあるとき。ヨハンとの会話では、他の戦士よりも多くの回復を必要とするヨハンに対し、余分な労働をしなければならないラナが、力関係で上ですね。セリスとの親しさでも、戦争でのお役立ち度でも、ヨハンよりラナのほうに分があると思います。
 ファバルとの会話も、そのバリエーション。恋人になってしばらく経過して、家事やさまざまな場面で、たぶんファバルよりラナのほうがしっかりしていて頼りになるのだということが分かってきたのではないでしょうか。公式の場で「ラナと一生をともにする」みたいな誓いを言わせたかったラナ。ファバルが照れて何も言わないと、ぷんぷん怒った態度を見せるのが可愛らしいです。

 例外は、セリスと結ばれなかった場合のエンディングの会話です。
 最後のセリスとの会話だけは、セリスのほうが立場が上。今さら「わたしはセリス様が好きなんです!」とハッキリ言ってもセリスを困らせるだけだと感じているため、ラナは不満をはっきりぶつけることはできませんでした。
 ただ、それでも…不満をちょっぴり態度に表してみる。それは、謙虚なだけでは終わらない、「ラナ自身の主張」を少しは出そうとする姿勢のあらわれだと思います。

 これらに共通する点として、ラナは不平不満を表す時であってもその全てを口に出すわけではないという特徴が見受けられます。ヨハン相手でも、「見た目は強そうなのに」の後の「実際にはてんで弱いのね」という部分は口に出していません。
 ラナは、言っていいことと悪いことの区別がしっかりとついており、相手を傷つけるようなことははっきりと言わないのでしょう。また、ファバルに「私を一生守ると誓ったでしょう、もう一度言って!」と無理に迫ったりしないあたりに、場の空気を平穏に保つ術を心得ていることがうかがえます。
 いつでも曖昧な物言いをするわけではなく、「スカサハ(ファバル)、わたしね、……あなたが好きよ」と、言うべき時にはハッキリ言える。そんな適切な「押し引き」ができているのが、ラナの会話の特長ですね。

 これも、「人の心に聡い」ラナならではの特徴ではないでしょうか。幼い頃にラクチェがスカサハなどにずけずけと物を言ってはケンカになっていたのを見守っていくうちに、そういう立ち居振る舞いが自然と身に付いたのではないかと想像します。

(4) 謙虚さ、敬虔さ

 ラナには押しが強い一面もありますけれど、基本的な人格は謙虚で敬虔であると思います。それはシスターとしての教えを守らせようとするエーディンの教育のおかげでしょうか。
 恋敵のユリアに対しても、リライブの杖をあげることで「皆様の役に立ちたい」というユリアの望みをかなえてあげていますし、みんなに対して分け隔てなく思いやりをもって接しています。

 たとえセリスと恋人になったとしても、最終決戦前の会話でラナは、「ユリア様に対して申し訳ない」と口にします。
 セリスと愛し合っているから恋人になっただけで、悪いことは何もしていないのに、ラナはなぜ「申し訳ない」と言うのでしょうか?
 考えられる理由の一つは、ユリアはセリスを好きだったはずなのに、自分がセリスをものにしてしまうことで彼女の恋がかなわなくなってしまうから。でもそれは、恋というものの持つ宿命です。ユリアの恋が実ったらラナが失恋してしまうわけで、誰かがふられてしまうのは避けられません。だからラナは申し訳なく思う必要はないのですが、それでもユリアのことを思いやるのが、ラナの謙虚さを表しています。
 もう一つは、ユリアが敵にさらわれて、そのあとには実の兄と戦うという悲惨な運命に直面しているのに、自分だけが恋人を得て幸せになってしまって申し訳ない、というものです。これも、ラナが幸せを放棄したとしてもユリアの運命を変えられるわけではないのですし、しっかり恋人としてセリスを支えてあげればいいと思うのですが、やはりラナとしては心にひっかかるものがあるのでしょうね。


2.二面性の恋愛

 ラナは、「二面性」のある人だと思います。

 ラナは、敬虔な僧侶として、清く正しく生きようとする優しい性格です。
 一方でラナは、セリスに恋する女の子でもあり、恋を実らせるためにいろんな努力をします。
 神様の教えを守り、弱い人を助け、誰にも優しくし、自分を磨いてよりよく生きようと努力するラナ。
 でもラナは、どこかで「自分が善い行いをするのは、それによってセリス様に気に入られようとしているからである」ということを自覚していて、それは結局「セリスと恋人になりたいから」という動機から発した利己的な行動なのではないかと悩んでいたりもします。
 純粋さとしたたかさという二面性を持ち、そのために自分の心の中に葛藤を生んでしまっていろいろ苦しんでしまいます。

 先に述べた通り、ラナは人の気持ちを察する力に優れているので、セリスとユリアが出会った時から、二人の関係がとても気になっていたと思います。
 このとき、ラナの中にはふたつの気持ちがあります。自分はセリスを好きだから、セリスにユリアよりも自分を選んでもらうよう頑張る、という気持ちと、ユリアより自分を選ばせるような工作をしたいと思う自分への後ろめたさや罪悪感と。

 もし彼女が「理想的」な聖女の如きシスターだったら、自分の心は完全に封じて、ユリアを応援して、二人を幸せにしようとしたでしょう。
 もし彼女が単に打算的な女性だったら、彼女を遠ざけて自分がセリスの回復をするとか、ユリアがさらわれた時にセリスをうまくなぐさめてその間に恋人の座におさまるよう画策するとか…さまざまなたくらみを実行したでしょう。
 でも、彼女はそのどちらでもなく…シスターの教えを護る人格者でありたいと思いながら、自分個人の幸せも追求したくて、そのぎりぎりの狭間で苦しむような、そんな人で。
 理想と現実の妥協点として、ちょっとだけ自分がセリスといちゃつくことを自分に許したりするラナ。彼女はそんな自分に、「ダメよ、きちんと戒律を守らないと」という声と、「もっと積極的にいかないと、セリス様を取られちゃうわよ」という声と、両方をかけているような気がします。

 そのあたりの心の揺れ具合は、「セリス様の制圧部隊」にある小説「たんぽぽの日」「わたしへの笑顔、彼女への笑顔」などに表現されています。興味がありましたら、ぜひお読みください。


3.セリス×ユリアにとってのラナ

 当ページ「もみあげ解放軍!」は、セリス×ユリアのカップルを中心としています。
 そこで、セリユリという観点から、ラナという人について考えてみます。

 「セリス×ユリア」を考える際に、ラナはどうしても無視できない存在であることは確かです。
 ラナとユリアは、セリスをめぐる恋のライバル…とも言えます。
 そんな二人の関係は、どうだったのでしょうか。
 これは、ぼくが構想を組み上げている小説に組み込む予定のため、あまり詳しくは書かず、端的に話しますが…。

 セリスの未来を考えるとき、たとえ彼がユリアを好きであったとしても、「ラナを王妃にする」というのは、考えうる最も現実的な選択肢の一つだと思います。
 セリスは王である以上、王妃を迎えて世継ぎをもうけなければなりません。セリスの心が本当はユリアにあること、形の上だけの妻であることを知っていて、それでもセリスの苦しみを知ってその立場を受け入れてくれる…、そんな人がもしいるとしたら、それはやはり…ラナなのではないでしょうか。

 一方で、ラナとユリアは、特別な友情で結ばれた、互いにかけがえのない存在なのではないでしょうか。
 セリスはラナにとって大切な人だから、どうしたら本当にセリスが幸せになれるのかを、ラナは真剣に考えています。
 できることなら、セリスに自分を愛してほしい。でもセリスがユリアを好きだというなら、ユリアと一緒にしあわせをつかんでほしいと思っているのではないでしょうか。
 しかし、ユリアはセリスの妹で、ロプトの血を引いていて…そんな色々な事情を抱えていて、二人は結ばれない定めです。
 だとしたら、どうすればいいのか。
 セリスとユリアは当事者として、この問題に真剣に向き合いますが、ラナもまた、セリスの幸せのために、そして大切な友達であるユリアの幸せのために、このことをせいいっぱい考えるのだと思います。

 ユリアの苦しみは、ラナの苦しみでもあります。
 そして、ユリアとは違う性格を持つラナだからこそ分かることが、きっとあるはず。それは、セリスとユリアがしあわせをつかむ道への鍵の一つとなりえます。
 そう…ラナはきっと、セリスとユリアがしあわせになるために、いなくてはならない存在なのだと思います。


4.セリスに愛されたラナは、それでも

 セリスはいったい、誰のことが好きなのでしょうか?
 その答えは、私たち一人一人の心の中に存在します。セリス×ユリア、セリス×ラナ、セリス×ラクチェ、そして…可能性はまだまだ多数。セリス様のカップリング大作戦・セリス編でも触れたように、セリスという人の恋人の可能性は非常に広いのです。

 会話イベントなどから客観的に推論すると、セリスはユリアとラナ、「二人とも好き」なのだと思います。
 ラナに「君のことが心配なんだ」と言ったり、ユリアに「ぼくはきみを守る、そう誓ったんだ。信じてほしい」と言ったりしています。他にも、二人に対して好きだと受け取れる言葉がいろいろと。
 もしユグドラル大陸が一夫多妻制で、なおかつユリアがセリスの妹でなかったなら、セリスはユリア・ラナの二人と結婚していたかもしれません(ぼくのイメージするセリスは「ユリアが好き」な成分が強いため、そうでもないかもしれませんが…)。

 仮にセリスがラナを好きだったとしたら?
 セリユリを好きな人から見ると、何の障害もなく結ばれることが出来て、ラナはうらやましい…と思うかもしれません。

 しかし、ラナの気持ちは、たぶんそれほど単純ではありません。
 少なくとも、「何の障害もない二人」ではないと思うのですよ、セリラナは。

 ユリアがセリスの妹だと分かって、そのあとセリスがラナと結婚したら。
 ラナは、「ユリア様が妹だったから諦めたけれど、セリス様は本当は、ユリア様を好きだったのではないだろうか?いえ、今でも本当は、セリス様の気持ちはユリア様に向いているのではないか?」と、そういう思いを抱くような気がします。
 しかもそれは、一生晴れることはないかもしれない疑問です。ユリアが妹ではないという「対等な立場で勝負」してセリスが自分を選んだのであれば、ユリアに勝ったと証明できるわけですが、ユリアが妹だとわかってしまった以上、もう一生その機会は訪れないのですから。
 その疑問を解決するためには、セリスとラナが夫婦としてさまざまな経験を積み重ねて、絆を作り上げ、「わたしたちが生きてきた数十年間は幸せだった。セリス様は確かにわたしを愛してくださった」とラナが実感することしか道は無いように思います。


5.たんぽぽのように

 最後に。
 あなたは、ラナという人から何を連想するでしょうか?
 「ひだまり」を挙げた方もいらっしゃいます…包み込むような優しさで、みんなを暖かくしてくれるような、そんな女の子だと。

 「たんぽぽ」が、私のイメージです。
 野原に咲く、明るく元気な黄色い花。
 そこにいることで周囲が明るくなる、そんな存在。小さくて素朴だけれど、決してひ弱ではなく、地面にしっかり根を張る打たれ強さも併せ持つ。
 希望を乗せて、空に舞うたんぽぽの綿毛…。

 私にとって、セリス、ユリアに続いて好きな人物である「ラナ」の魅力。
 あなたに少しでも届いたのであれば、とても嬉しく思います。





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