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ファイアーエムブレム異伝
狂神の娘 余話「彼女の平穏、或いは彼女の多忙な一日」
先日のマンスター解放戦で解放軍は見事勝利を得、
コン コン
誰かがドアを叩いている。
コン コン
「ふぁ〜い、今、開けまぁ〜〜〜す」毛布を身体に掛けて、寝ぼけ眼でドアに向かう
がちゃ とドアを開けると其処にいたのはシャナンだった。
「あ、おはよ〜〜〜〜シャナン、どうしたのぉ?こんなあっさぱらからぁ?」
「う、うむ、く、訓練にでも誘おうかと、お、思ったのだが」
何故かはきはきと喋るシャナンらしくない
「シャナン大丈夫ぅ?何かの病気ぃ?熱はないのぉ?」
と言って私はシャナンの額に私の額をくっつけてみる。
するとシャナンは速攻で私から離れ、さらに顔を赤くしてこう答えた。
「だ、だだだだだだ大丈夫だ、そ、それより、り、リノク、頼むから、服を・・・」
「シャナン様!遅いですよ・・・って今度は何しているんですか!!」
「へ?何が?」私は質問する
「何がじゃないでしょ!!服も着ずにあんなことやそんなこと、
ましてやもー口で言えないことを・・・」
「へ?えーと」私は自分の身体を見る・・・
「えへへへ、ごめん、服着るの忘れてたわ・・・」
と言って自分の研究室に戻ると軽装着に着替える。
「さて、始めますとしますか。シャナンやりましょ」と言って屠龍を抜く
「ちょと待って、リノク貴方、シャナン様を殺す気?」
「大丈夫よ、全部峰打ちにするから」
「成る程なでは私はバルムンクを使おうか」と言って、
シャナンは帯刀しているバルムンクを抜いた。
「準備は良い?」と言って私も屠龍を抜いて、そして屠龍を構えた。
「ああ、では・・・参る!」シャナンもバルムンクを構えると私に斬りかかってきた。
キィン!!
まずはシャナンのなぎ払い、それを私は受け流してそれをかわす。
剣撃を流した隙をついて、二連撃をくり出す。
シャナンはそれをバックステップでかわし、次にややスピードがある突き仕掛けてくる。
その突きを屠龍の柄で弾き、其処から下から上に斬り上げ、
バキィ!
上から下に斬り下ろす。
ボキィ!
その二連を食らったシャナンは最後の一撃からによる衝撃でバルムンクを落とす。
「降参だな・・・実戦ならば二度死んでる。」
シャナンはバルムンクを拾い、鞘に収める。
「そうかもね・・・でも私が屠龍を使っていなかったら勝負は分からなかったわ。」
「そうかもな、痛っ!しかし、やりすぎだぞ。」
「ごめん、大丈夫?」
「なんとかな・・・」
「動かないでね、怪我を治すから」と言って私はまず、
関節が外れた肩を強引にはめた。
ゴキィ!!
「づだぁぁぁ!!」
「はいはい、男の子が泣き事言わない。」と言って私は印を編む。
「我、紡ぐは癒しの言、其を放つは我が友なり、癒せ、ヒール・・・」
そして私はヒールを放った。
「痛みはないわね?」
「ああ、痛みはないし、関節も繋がっているしもう大丈夫だ。」
と言ってシャナンは腕をぐるぐる回す。
「あの〜〜〜シャナン様お話中悪いんですが・・・私と訓練しませんの?」
「ああ、済まない、後、リノクすまないがバルムンクを頼む、
ラクチェそれでは始めるとするか」
「ふ〜〜〜んあの娘も結構できるんだ」
私は適当なところに座るとシャナンと彼女の訓練を見る。
カキィィン!!
「参りました。流石にお強いですね、シャナン様は」
と言って彼女は剣を拾い直して鞘に収める。
「いや、ラクチェもだいぶできるようになったな、いずれ私も抜かれそうだな」と言って
剣を収める。
「二人とも、お疲れさま」と言って私はバルムンクをシャナンに渡す
「ああ、ところでリノク、お前の持ってきたあれは何に使うのだ?」と言ってシャナンは
私が持ってきた武器を見る。
「ああ、あの子達のこと?どんな力があるのかのと調整かな?」
「調整?」と彼女が質問する。
「そうね、あの子達は特殊な力を持つ物でね、例えば・・・」
と言って私は戦糸を装備する。
「この子の場合は先端に小さい重りがあるでしょ?」と言って重りを見せる
「そうね・・・」と言って頷く
「この重りでうまくコントロールできるのか?とか、
少し尖しても良いのかとかそう言うのを見るのよ」
ピィン
どさ
「うん、この子はこれで十分みたい」と言って私は戦糸を外して次は槍の調子を見る。
「この子は・・・魔器?しかも神殺しの?!何でこんな物があるのよ!」
「リノク・・・さっきのは・・・」シャナンがおそるおそる尋ねる。
「神でも殺せる槍よ、使い手を選ぶね・・・」と言って。次は魔道書を開く
「リノク、魔道書も読めるの?」と彼女は尋ねる
「ええ、魔力制御とか変換回路とかを良く読むわ・・・
「リノクさっきのは?」とシャナンは尋ねる
「ネクロマンシー、暗黒魔道士どもが万金積んでも買うような奴」
「「ちょとまて!!」」二人とも狼狽える
「大丈夫よ力って言うのは馬鹿とハサミの使いようと一緒よ、まぁアレは流石に
使いようがないけどね・・・」最後に私はスターゲイザーを手にした。
「何それ?」彼女は尋ねる。
「クロスボウ、火薬の爆進力(注2)で弓を引き、
高速かつ連続で弓を撃つ武器よ」
「へぇ」
「弦も大丈夫だし、後は・・・これでよし」
「試し撃ちでもしようかな・・・シャナン?」
「なんだ?」
「弓の訓練場何処?」
「あっちだ」と言ってシャナンは右を指す
「ありがと、試し撃ちしてくるから、それじゃ」
と言って武具をまとめ、私は其処に移動した。
試し撃ちをした後、
武器をかたずけて部屋でくつろいでいるとシャナンが朝食の時間だというので
朝食を摂りに行った。
それで今朝食中な訳だ。
「で、どうして私の周りには男ばかりなの?」左右には
昨日話しかけてきたヨハンとレスター、私の前にはオイフェだったかしら
「みんな、もうそろそろ、朝食は終わるけど何か連絡することはない?」
「皆の者は知ってると思うが武器の修理はリノクの研究室に行ってくれ
「他には?」とセリス王子は聞くが特にないようだ。
「無いようだね。それと食べ終わった人から自由時間だからね」
私も男共をどうにか無視してなんとか朝食を平らげると急いで研究室に戻った。
コン コン
屠龍を整備していると誰かがドアをノックてきた。
「どうぞー開いてるわよー」と言うと入ってきたのは青年と言うよりむしろ大人の
槍を持った騎士だった。
「この勇者の槍を修理して欲しいのですが?」と言って槍を差し出してくる
「分かったわ、ちょとまって・・・相当使い込まれてるわね、刃は凄く
綺麗に手入れされている・・・ポールの方が相当痛んでるわね・・・
「フィンです。そうですか・・・ポールを見せて貰いますか?」
「ええこっちよ、」と言って材料庫の中に連れていく
「ええっと、ポールウェポンの材料は・・・ここね、どれが良い?」
「ええ、どうぞ、そうでないと選べないでしょ?」
「そうですね、」と言ってフィンはポールを一本一本もって
使い勝手を確かめている。
「これが良いですね・・・軽いし長さも丁度良い」と言って
古龍の牙(注3)から削りだしたポールを手に持った。
「良い物を選ぶわね、それにその子に気に入られるなんて、面白い人」
「気に入られる?」と言ってフィンが尋ねてくる。
「ええ、ここの材料庫にあるのは全て、精が憑いている物よ」
「精ですか・・・」
「ええ、だから自分をうまく使ってくれる使い手を選ぶし、
相応しくないのなら、逆に姿も見せない」
「使い手を選ぶ、正に神器ですね・・・」と言って歩き続ける。
「確かにね。でも違うところがあるわよ」
「何処が違うのですか?」とフィンが尋ねてくる。
「そうね、この子達は自己主張出来るのよ」と言って私は仕事場に戻った。
早速仕事場に戻るとポールを付け替えフィンに渡した。
「どう?使い心地は」
「ええ、素晴らしい出来です」と言ってフィンは軽く素振りをする。
「ポールウェポンはそれぐらい軽くないとね、出なきゃ使い辛いからね」
「あっ!そうでした。修理代金を・・・」と言って袋からお金を出そうとする。
「良いわよ、始めてのお客さんだし、その気持ちだけ貰っておく」
「ですが・・・」と彼は反論する
「今度来たとき、その槍を見せて、その子がどう成長してるか見てみたいの」
「どう言うことですか?」彼は尋ねる。
「その槍は貴方に託された想いがある。その想いが、貴方とその槍を強くするの
「ならばなおさら・・・」
「だったら、荷物持ち一回」
「は?」フィンは唖然とする
「鉱物が足りなくなったら、買い足しに行くときの荷物持ち一回。それでいいわね」
「そんなんで良いのですか?」
「でも、鉱物は重いわよー全部もたせるからね」
「・・・努力しますよ、」と言ってフィンは納得してくれたようだ。
「それじゃ、フィン良い休日を・・・」
「ええ、リノク貴方こそ」といって研究室から出ていった。
しばらくすると男共やラナとユリアとセリス王子達色々な人達が武器の修理をしにくる。
昼食も終わりしばらく昼寝していると誰かが尋ねてきた。
「えーと確かイシュトー将軍とその恋人のライザさんだったけ?」と寝ぼけ眼で尋ねる。
「ええ、そうですよ」と答えてくれる。
「えーと何の用かしら?確か貴方達の武器は修理は終わってるはずだし・・・」
「そうですね、確かに修理して貰いました。もの凄くうまく修理できてますよ」
「それは有り難う、それで本題は?」
「ええ、実は私マージファイターをしている傍ら錬金術を嗜んでいる者です」
「ああ、成る程それで私が錬金術らしき物をしているから、それを見たいと」
「その通りです。」
「いいわ、だったらこちらの部屋に来て、あ、ライザさんも来て良いわ」
「ここがリノクさんの部屋ですか・・・」と言って彼は私の部屋を見回す。
「あまり見ないでよ、物入れたばかりだから散らかっているの」と言って
私は私室から奥にある資料室に足を運んだ。
「ここよ」といって私は資料室に案内した。
「ここが?」
「・・・錬金術ではないわ。私がしているのは錬金の杖を用いた
修理よ、でもここにある資料の中で卑金属を金に変えるような
呪式が載ってたような気がするんだけど・・・」
タイトルは「ぶっく・おぶ・いえろー」(注4)
「う゛ぇにっちの写本」(注5)
0.1秒もかからず元に戻す。
「なんでこんなヤバイ魔道書があるのよ・・・」と言ってカテゴリーを見てみる。
『禁呪』と
「成る程ね・・・ここ探してもないわ」と言って振り返ったその時だった。
「イシュトー様、もしかしてこの本でしょうか?」
と言ってライザさんが彼に本を見せる
「ああ!!これだよライザ、錬金術師パンドラが著した。
幻の本『錬金術大全』しかもこれは・・・
「卑金属を金に変える方法・・・こんな物はどうでもいい、賢者の石の作り方は・・・」
「よくやるわね」
「まったくよ」とライザさんは同意する
「でも、あんな風に夢中になる所ががいいんでしょ?」
「そうだけどね・・・」
「あっ見たい本があったら読んで良いわよ、でも禁呪の本棚は読まないでね」
「ありがとう」
「勘違いしないで、私は馬に蹴られたくないだけよ」と言って資料室から出た。
数時間して二人は出ていった。
どうやら色々な錬金関係の本を借りていったようだった。
そして私は研究室のテーブルで新しいクロスボウの設計図を書き出した。
夕食も終わり、研究室で火薬の配合していると誰かがドアを叩く音がする。
コン コン
「どうぞ、開いてるわよー」と言うと中に入ってきたのはリーフ王子だった。
「何の用かしら?」私は火薬の配合した物を片づけ残った火薬も
元の箱に戻しながら尋ねる。
「貴方にお願いしたいことがあって尋ねてきた」彼は真剣な眼をしてそう答えた。
「何かしら?」
「私、いや僕は強くなりたいんだ!誰よりも強く・・・だから」
「だから?」
「僕に貴方の技を教えて欲しい」としっかりとした口調で答えた。
「では聞くわ、リーフ王子何故貴方は強くなりたいの?」
「父や母を殺した男トラバントを討つためです」
「そう・・・だったら、私は教えることは出来ないわ、他の人に当たって・・・」
「何故!!なんで僕に教えてくれないのですか!!」
「だったら、聞くわリーフもし私が貴方に技を教えたとするわ
それで貴方はその男を殺した後私が教えた技をどうするの?」
「そ、それは・・・」その言葉を聞くとリーフ王子は黙ってうつむいてしまう。
「一言だけ言わせて貰うわ、復讐は何も生み出さない、ただ其処に残るのは残された人の
怨恨や何もない人生だけ・・・それを貴方を育てた人はそれを望むの?」
「だけど!!僕は弱いんだ!!護って貰うしかない!!
それにセリスほどの才能はない!!」
「何馬鹿なこと言ってるの?最初から強い人間なんていやしないわ。
最初は誰だって弱いの。
「・・・」リーフは何も答えない。
「それに強さはという物は一つじゃないの」
「それは一体どう言うことですか?」と彼は尋ねる。
「そうね・・・宿題を上げるわ」
「宿題?」
「そう、貴方は何故戦うのか?そして貴方にとって心の強さとは何かを見極めなさい、
「本当?本当なんだね?」
「ええ、私は冗談は言うけど嘘は言わないわ」
「有り難う!リノク頑張ってみるよ」
「ええ、頑張ってね応援してるわリーフ」
「うん、あ!もう遅いから寝るね、また明日」
「ええ、お休みリーフ」といってリーフは帰って言った。
「真の強さか・・・私は持ってるのかな?」一人になった研究室を見渡して呟いた。
(安心しろ、貴公はもう持っておられるよ)
「レバスティン、お世辞はよしてよ、だって私には何もないの」
(だったら作れば良かろう、護るべき物大切な物を)
「そうね・・・有り難うレバスティン」
(なに、真実を述べたまでだよところでさっきの青年なかなかいい眼をしておったな)
「ええ、きっと大物になるわね自分のすべきものが見つかれば・・・」
(見てみたい物だな・・・彼の成長を)
「見たい?」
(ああ、見てみたいな)
「だったら、行けばいいのよ、協力して上げる」
(かたじけない)
「気にしなくても良いわ、私がやりたいことをやっただけだから」
コン コン
「開いてるわよ」
ガチャ とドア開けて入ってきたのはフィンだった。
「失礼しますリノクさん。リーフ様を見かけませんでしたか?」
「さっき、来たわよ、もう部屋に戻っているんじゃないの?」
「そうですか・・・失礼しました」と言って立ち去ろうとするフィンを私は止めた。
「ちょと待って、彼にこの子を渡して欲しいの」と言ってレバスティンを渡した。
「これは?」
「彼に伝えて、その剣が抜けるようになったら。半分答えが見つかったような物よ。と」
「わかりました。リーフ様にお届けします」と言ってフィンは部屋を出ていこうとする
「フィン、お休みなさい」
「ええ、リノクさんもお休みなさい」
「あ、私はリノクで良いわ」
「そうですか・・・ではリノク、お休みなさい」
と言って私の手の甲にキスをして去っていった。
「え、ええ、お休みなさいフィン」と言って私は少し鼓動が早くなった心臓を落ち着かせて
ランタンの火を消すとベットに潜り込んだ。 注訳 1、ネクロマンシー 日本語に訳すと死霊魔術、 ゾンビやスケルトンを作ったり果てはドラゴンゾンビすら作ってしまう。 背徳の魔法、確かにこれは解放軍ではどうにも使えそうにない。 2、火薬の爆進力 実際のクロスボウはそんな機構ではありません。あしからず 3、古龍の牙 出何処は不明どっから持ってきたんだか 4、「ぶっく・おぶ・いえろー」 超危険物、ロプトウスと比べ物にならないくらい危険です (人が使えるものではないが) いあいあでマッドなはすたぁを喚ぶ事が出来ませう。 5、「う゛ぇにっちの写本」 これも超危険物、前者の4倍増の危険度。 某危険魔道書の写本(やっぱり人が使えるものではありません) 異形の神々を召喚できる。見た人正気度チェック! |