ダークインパクト

第一章 人形


「大司教様、こんな古びた神殿に、何の用があるのですか?」
「・・・人形を目覚めさせる為だ。あの忌まわしき人形をな。」
黒衣を着た老人と同じ黒衣をきた若い女性が古びた神殿の奥地を歩いていた。
そこは、とても薄暗く、柱にもヒビがあり、もうすぐで壊れるぐらい古い。
「人形、人形ですか・・・?」
「そうだ、命ある者の生気を奪う・・・光魔法のリザイアの強化版だ。 ロプトウス神により、創られたが・・・・。」
老人はそこで、口を閉じる。
「まぁ、その話の続きはまた、今度だ。着いたぞ・・・」
そこには巨大な岩に人の姿が見える。封印された模様だ。石化されたのか?
「・・・封印を解かなければな。」
老人は岩に手を触れて、なにかの呪文を唱えた。
どんどん黒い煙に岩が包まれていく。
「封印が解けた・・・連れていくぞ。エノン。」
「あっ、はい。マンフロイ様。」
エノンは煙の元へいくと、そこには岩ではなく、 もう服とは言えないような布きれに体を包んだ少女だった。
「・・・・・あ」
「何をしている、早くしろ。」
「あっ!はい!申し訳ありません。」
エノンは少女を抱き上げ、そのまま、マンフロイと共に外へ出た。
すぐに、リターンリングの魔力でそのまま、バーハラ城に戻った。
「マンフロイ!人形は見つかったかい!?」
「ユリウス様・・・ご覧の通りに・・・。」
紅い髪の青年、彼がロプトウス神の化身・・・闇の皇子。
ユリウスは上機嫌だった。この人形で自分の双子の妹  ユリア皇女を殺そうと思っているのか。
ユリア皇女はナーガの化身・・・つまり、ユリウスの天敵だ。
「エノン、お前が人形の世話をしろ。わかったな。」
「はい、では、部屋に運びますので。では・・・」
私は少女を連れ、自分の部屋のベットに寝かせた。
自分の予備の服を着させ,髪や顔の汚れを拭いた。
どうしたら、目覚めるだろう?普通に目覚めるか?
そう、エノンが思っていたら、少女は目覚めた。
「あ、起きましたか。」
「汝、何者だ?」
少女は問い掛けてきた。エノンは答えた。
「私はエノン、ロプトウス神に仕える暗黒教団の神官です。」
「ロプトウス・・・父上か。」
父上、彼女はロプトウス神に創られた存在、だから父と呼ぶのか。
「エノン・・・使命を伝えろ。」
「あ、はい・・・使命はナーガの化身、ユリア皇女の抹殺です。」
「わかった、今すぐ・・・・っ!」
少女は倒れた。まだ、封印のせいで体が抵抗しているのだろう。
「大丈夫ですか!?・・・・」
「大丈夫だ・・・エノン。」
心無き人形といったが、なんだか、違和感がある。
「あの、お名前は・・・?」
「名・・・ダークインパクト、それだけだ。」
ダークインパクト・・・彼女の本名だろう・・・・。
「あの・・・私が付けても構いませんか?」
「構わない・・・」
考える・・・やはり、無口なので、結構、クールな名前がいいかも・・
「うんじゃあ・・・・。」
子供に名前をつけるみたいだ。どきどきする。
「早くしろ・・・」
「はい・・・、セチ様。」
「セチ・・?それが名前か。」
彼女は無表情のまま、エノンを見つめる。
「あ・・・気に入らなかったですか?」
「いいや、気に入った。」
よかったっとエノンは心の中でつぶやいた。
「・・・余計な情な持つな。」
「マンフロイ様!」
気付けば、後にはマンフロイがいた。
「エノン、その人形には感情を持たせるな・・・ 封印の力で感情の影響が激しいからな・・・わかったか?」
「はい・・・申し訳ありません。」
マンフロイはそのまま、部屋を出ていった。
エノンは思った。
ユリア皇女が今、滞在している解放軍はイード砂漠付近。
そろそろ、マンスター地方にはつくだろう。
もうすぐ、解放軍には行かなければならない。
それまでは、私が世話をする。
不安だった。


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