優しさとずるさと・あとがき

 セリス こんにちは。
 前回に続き、ラナ主人公のお話…第3弾です。

 今回のテーマは、ラナとファバルの関係です。
 これまでの2作品(「たんぽぽの日」と「わたしへの笑顔、彼女への笑顔」) では、ラナが一方的な片思いを抱いていて、ちょっとかわいそうでしたね。 そこで、ラナの恋が成就する話を書いてみたいと思いました。 また、孤児院の子供たちというのも、以前から扱いたかった題材でしたしね。
 ただ、その当初の意図は、ちょっと曲げられてしまったのですが…。

 作者にとってのラナの魅力は、前作まででほぼ語られています。
 純粋な優しさと、したたかなずる賢さを、併せ持っているところ。 大人の駆け引きも知ってしまっていて、でも純情も捨てきれずに、 板ばさみに苦しんでしまうところ…です。
 そんな彼女の心が、私(セリス)とファバルを対比したら、 どうなるでしょうか。
 セリスはリーダーであり、理想と現実のギャップに苦しみながらも 少しでも未来を切り開こうとする強い人…という像で描かれています。 弱音を吐くのはユリアに対してだけですから、 それ以外の人から見るとやや冷徹な印象を受けるでしょうか。
 ファバルは、おバカっぽい…とまでは言いませんが、 寝返りイベントなどを見ても、戦争の大局観の点でちょっと弱い感じは否めません。 かわりに、孤児院の子供への優しさは随一。 人情味の厚いお兄さんでしょう。
 比較すると、私は「冷」、ファバルは「熱」の型だと思いました。

 ラナは私の隣にいることを目指したために、少し無理をして 「冷」の型に自分を作り変えようとしていたけれど。
 ファバルと子供たちに触れて、「熱」に憧れる自分をも再発見した…。
 そんな話の筋を読み取ってくれたら、嬉しいです。

 書いてみて、反省点の多い作品ではあります。満足はしていません。
 またしてもラナ一人称なのは、彼女の心理を深く描きたいからですが、 説明的になりすぎて、情緒があまりないように思いました。
 さらに、ファバルの気持ちを描けなかったのも残念。 ファバルはラナとは逆の位置づけ。 大局を見据えられるラナの目を頼もしく思っていて、なおかつ子供を守る責任感と、 泣き出してしまう彼女の可愛さを、愛しく思っている、のですが…。
 この二人、ラナのほうが年上というなの設定ですが。 (年齢は、セリス・レスター19、ラナ18、ファバル17、パティ16ぐらい。) 「姉さん女房」ならではのお話が作れなかった点は、残念です。
 また、内容のわりに、話がちょっと冗長かなという気はします。 上に書いたテーマをなかなかうまく表現できず、何回か繰り返して書いたため、 重複してしまったという反省がありますね。
 当初は、「ラナが私を好きになったきっかけ」も書こうと思っていましたが、 今回は私が主軸からずれたため、入りませんでした。 これは、次回作まわしになります…。
 オリジナルキャラクターの造形能力も大きな課題。 「歴史に学べ!」でもそうだったんですが、ぼくの作った人物は どうも魅力が無い…というか、そもそも絵を思い浮かべられないほど あやふやなものになってしまいます。 ちなみに、今回のキャシーちゃんは、ガンパレードマーチの 東原ののみちゃんをイメージしています。
 何より、「これを書きたい!」というテーマ、柱が今ひとつあやふやで、 強く訴えかけるもののある話が書けなかった点が心残りです。 ファバルとラナの恋愛物、という当初の意図が、 途中で曲げられてしまったのが原因ですが…。
 次は、もっと練りこんだ小説を書きたいですね…。

 終戦後の設定について。
 私はバーハラで、ユリアと二人で政治を執っています。
 レスターとパティは二人でヴェルダンへ。
 ラナはファバルと二人でユングヴィに帰りましたが、 ユングヴィ公妃にはならず。ファバルの心をうまく惹きつけておいて、 機会があれば私にもアタックを…と目論んでいるみたいです。
 私とファバルの両睨みという、微妙なポジションにおさまったラナ。 彼女のしたたかな一面のあらわれでもありますが、 実はこの結末には、もうひとつの意図があります。

 終戦後の、私とユリアの未来についての話の構想を、現在練っています。
 ラナには、この絶妙な位置を活かして、 私とユリアに揺さぶりをかけ、活躍してもらおうと思っています。

 では、また次の作品でお会いしましょう。



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