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グランベル少年探偵団・第一話
ぼーん ぼーん
ある一室で柱時計が新たな時が来たのを告げる。
「時間ですね・・・怪盗紳士『ナーガ』の予告によれば」
と青い髪の少年は呟き、念のため彼は自分の懐中時計で確認する。
「そうだね、兄さん・・・でも大丈夫だと思うよ、
警備は蟻の子も通さないように厳重にしているし」
「ああ、でも何か引っかかるんだ・・・恐らくナーガは警備の裏をかいて
このナーガの涙を盗みに来るはずだ」
「それは絶対ないはずだ。
どんな手を使おうともこの警備を抜けられるはずが・・・」
「そうかしら?意外と抜け穴あったわよ」と誰も居ないところから声が聞こえてくる。
「な!!どこだ!!」
「ふふ、何処でしょう?」青い髪の少年は気づく
「屋根裏か!」
「さぁ?ご想像にお任せするわ」
「ヨハンの兄貴!!」
「分かっている!!」と言うや否や彼らは椅子を台にして屋根裏を開けるが・・・
ブシュゥゥ!! 其処に待っていたのは彼らが待っている者ではなく
「催涙ガス?!」そしてガスが部屋中に充満する。
「ま、窓を開け・・・」館の主人はガスを逃がすため窓を開けようとする。
「ダナンさんそれはわ・・・」と青い髪の青年が叫ぼうたした。
「ぴんぽーん♪さすが名探偵の息子さん」とお気楽口調の誰かの声が聞こえる。
「!!ナーガか!!」
「そうよ予告状通り、秘宝ナーガの涙を頂いて行くわ」とガスの中から声が聞こえる。
「みんな動かないで!」と少年は言い秘宝の場所まで走り、
それらしい人影に体当たりをしかける。
ドカ!!
「きゃ!」その人影は彼の体当たりを食らうと
そのままもつれ合い絨毯にもつれ合う。
「観念しろ!君は僕が捕まえる。名探偵と言われた父さんの名に賭けて!!」
と言いながら怪盗紳士をがんじがらめにする。
ムニュ
「・・・女の人?」恐らく無意識に掴んだのであろう、
その事が彼女の隙を与えるきっかけになった。
「この!」彼女は持っている秘宝を投げつける。
スカン
「うわっ!!」それが額に直撃し完全に彼女を離してしまう。
「セリス!ユリウス!イシュタル!大丈夫か?」
と彼の父親らしき人物が拳銃を持ってドアから入ってくる。
「名探偵シグルド?!・・・潮時ね、また会いましょうセリス様」
と彼女は言うと彼女が入ってきたであろう窓から身を投げ出す。
「嘘だろ?!ここは五階なんだぞ?人が・・・!何時の間にそんな物を!?」
と赤い髪の青年ユリウスが叫ぶ
キィィィィィン ズドォン!!
「ユリウス、ナーガは?」
「逃げたよ・・・アイツ、ジェット機なんか用意してた。そうだ秘宝は?」
「ここにあるよ」と言ってセリスと呼ばれた少年は赤い秘宝を持っていた。
「よくやった。セリス秘宝は護れたようだな」
「うん、秘宝だけはね・・・でも今度は捕まえてみせる」
「義兄様・・・」
そして彼セリスと怪盗淑女ナーガの長き騙し合いが始まったのだった。
グランベル少年探偵団
第一話「出会いとはかくも唐突な物なり」
コン コン
「セリス様・・・朝でございます」と執事が彼の部屋のドアをノックする。
コン コン
「セリス様・・・朝でございます」とその部屋の主人を起こす動作を繰り返す。
コン コン だがそれでも部屋の主人は起きない
「失礼いたします」と執事は彼に断りを入れて、部屋に入る。
其処には青を基調とした綺麗なカーペットの上に置かれた年代物の調度品、
そして最新型のパソコン。
「セリス様、お目覚め下さい。もう朝でございます」
とこの執事の最終勧告がなされる。
「ううん、・・・おはよう、オイフェ」そしてこの部屋の主は目を覚ました。
「もう、朝食の準備が出来ております」
「分かったよ、オイフェすぐ行くよ」
「分かりました失礼いたします」
と言ってオイフェと呼ばれた執事は深々と礼をして去っていく。
「さてと、今日も頑張るか」とセリスは言って学生服に袖を通した。
そして食堂
「母さん、父さん、ユリウス。おはよう」
「おはよう、セリス、今日は紅茶にする?それともコーヒにする?」
「少し眠いからコーヒーのほう、父さん昨日結局どうなったの?」
「これを見たら分かる」と言って彼の父シグルドは彼に読んでいた新聞を渡す。
「ん、何々『少年探偵名誉の負傷、秘宝守り抜く』か・・・」
「まっ、セリスもユリウスもよく手伝ってくれたよ初手柄かも知れないな」
「ううん、違うよそれはユリウスが上手く警備を配置してくれたから」
「そうだな・・・おっ噂をすれば、おはようユリウス」
「ああ、とーさんに兄さん、かーさんおはようあっ、かーさん俺は紅茶」
「はい、はい、はいセリス、コーヒーそれといい加減座りなさい、
じゃないと朝ご飯たべられないでしょ?」
「あっ、ごめん」と言ってセリスはいつもの自分の席に座る。
「ううっ、っと腰が痛い」ユリウスが自分の背筋を伸ばしながら少し腰をさする。
「ユリウス、また送り狼になってたの?」セリスはやや、
呆れ口調でユリウスに問いかける。
ぶっ!とシグルドは飲んでいたコーヒーを吐き出しそうになる。
「エエト、ナンノコトデショウ?」と視線をずらし、ユリウスはシラを切る。
「だって、昨日の帰り・・・自分の婚約者ぐらいは
送っていくって言って他のは誰だっけ?」
「・・・ごめんなさい」
「はぁ、ユリウスお前がイシュタルさんの事を好きなのは分かっているが。
けどな」
「仕事中にかーさん口説いたとーさんに説教される筋合いはない」
とユリウスの反撃
「そうだね、あの時はびっくりしたね、いきなり
「弟とかーさんが出来たぞー」なんて言うからね」とコンビネーションで攻撃する。
「うっ・・・真実だけに反論ができん」
「ふふ、名探偵シグルドも自分の息子には勝てないみたいね」
「ううむ、だがディアドラ少しは学生らしい生活をだな」
「あら、貴方は始めて結婚した時は大学生だって聞きましたけど」
自分の夫いたづらをする。ディアドラ夫人・・・
「う・・・」
「セリス達は時間大丈夫?」まぁフォローするのは忘れていないようですが・・・
「あっ!いけないもうそろそろ行かないとユリウス!」
「ああ、兄さん急ごう!」と言って二人とも飲み物とパンをかじり終えると
鞄を持って玄関に走り出す。
「「いってきまーす」」
「ふふ、今日も平和ね貴方」
「ああ、そうだな、お、もうそろそろ着替えるか」
という感じでシグルド家は今日も平和なのでした。
通学路
「げっ!マジでやばい・・・新学期早々遅刻はしたくない」
「うん、急がないと僕もクラブの勧誘があるから」
「あ、探偵倶楽部のか!」
「そうだよ、だから急がないとね」と言いながら
二人が曲がり角を走りながら曲がったときだった。
どん!!
「うわっ!!」
「きゃ!!」
「兄さん・・・だいじょう、うわっ!お約束すぎ」
そう・・・彼の言葉を表現すると・・・
どこかの三流恋愛マンガよろしく、美少女転校生に曲がり角でぶつかって、
押し倒してしまっているから・・・
「ええと・・・大丈夫?」つーかセリスどいてやれ
「・・・はい・・・!!きゃぁぁぁぁ!!」そして押し倒されてしまった少女は
胸部にひじ鉄をプレゼントして、
彼をそのひじ鉄で吹っ飛ばし、そこに鮮やかな体術で起きあがり、
一足踏み込んでその勢いでさらに吹っ飛ばし・・・
ガン!!
「鉄山靠(てつざんこう)・・・初めて生で見た」弟助けてやれ、
「あ・・・決まっちゃた・・・あ!急がないと!!失礼します」
あ、そこの転校生無視するな!
「兄さん大丈夫?」一応は兄の様子を見る弟・・・麗しき兄弟愛?
「う、うん死んだかーさんが見えていたよーな気がする」さ、三途の川?ですか?
「い、急ごう!ユリウスま、まだ間に合うはずだ」
と二人はややペースを落としながら学校に向かうのでした・・・ |