セリスセリス様のコメント

 こんにちは。今回の作品は、戦争と人の生き方と…そんなシリアスなテーマの お話となりました。

 この作品を思い立ったきっかけは、「硝子の聖域」さんというセリユリファンクラブで 「架空会話イベント」の募集があり、それに応募しようとしたところからです。 8章でユリウスが現れたのを見たユリアが、正体不明の不安を感じる…といった 会話イベントを考えてみました。そこでさらに、そのユリアの不安の中身は…と 考えていった結果、こんな作品ができました。
 「バカ殿セリス様・華麗なる日々」の4章でテーマとなった「戦う理由」。 あそこでは、ぼく(くうねるなセリス)が戦う理由が問題となったのですが、 よく考えてみたら、ユリアについても、これは大きな問題だなぁと。
 ユリアが軍に加わった動機は、曖昧なものだと思います。 最初から、はっきりした「戦う理由」が確立されていたとは思いません。 それは、記憶を失ってアイデンティティに迷っている ユリアであれば、仕方のないことかもしれません。
 責任感の強い彼女のことですから、それについて 全く考えないことはないでしょう。ユリウスを見たことが 引き金になって、不安が増幅したかもしれません。
 何のために、何を目指して戦うのか。 ユリアなりに、見つけなければならないことです。
 終章で、ユリアはきっぱりと答えを出してくれます。 そこまで強くなるまでの、ひとつの過程として、 こんな約束があった…というのが、話の中心です。

 ユリアは自分の信念に基づいて戦争をしていました。 もしかしたら、過去の自分にとって大切な人を、殺しているかもしれない…と思いながら。 それは、間違ったことでしょうか?
 …ぼくは、間違っていないと思います。
 記憶があろうとなかろうと、人は完全ではありえません。 そんな中で、何が正しいかを自分なりに必死に考えて、出した 暫定的な結論を信じて行動するのは、人に与えられた権利だと思います。 …そうでなくては、誰も何もできなくなってしまいますから…。
 でも、ときどき立ち止まって、「自分のしていることが正しいのか?」と 振り返るのも大切なことですよね。そして、過去を振りかえる時、 私とユリアならば、私たちの戦争の犠牲になった人に…思い至ります。

 夏…特に8月という時を迎えると、私は妙に物悲しくなります。 過去を振りかえり、思いを新たにするとき。8月はそんな季節だという気がします。
 ユグドラルを離れて、日本について考えてみてください。 現代の8月13日頃は、死者を迎える節だと言われています。 また、8月6日、9日、15日にも、過去と戦争と死について見つめることになります。 セミの鳴き声が聞こえると、夏という言葉とともに、 そんなことに思いを及ぼすのです…。
 そして、夏と死者の霊から私が連想したのが…
 「ほたる」でした。

 ほたるもまた、見ていて寂寥感に包まれるものです。
 その短い命に無常を思い知り。弱い光の群れは、亡くなった方々の魂を 連想させ。しんみりした夏にいやおうなく導いてくれます。
 本当はほたるの盛りは真夏ではなく、梅雨ぐらいの季節のようですが、 個人的には夏のイメージが強いですね…それも、「哀しい夏」の…。
 そんなほたるのイメージに、過去を見つめる本作品のテーマを 重ね合わせることにしました。

 過去を見つめ、亡くなった人を見つめること。日本でいう墓参りの意義は、 実は「自分を見つめる」ことにつながるから…ではないかなと。 そんなことを連想したりしました。

 作品として見ると、(このコメントも含めて)説教臭く、 説明的になりすぎたな…というのが反省点です。ただ、とっても重くて難しい テーマで、これ以上やさしい言葉に噛み砕くことができませんでした。

 あ、でも、ひそかにおいしい場面も盛り込んであるんですよ。
 …二人での乗馬。あのシチュエーション、すっっごくいいですよね…(笑)。 ユリアも、実はかなり楽しんでいたみたいです。
 シグルド父上の愛馬はブルーサンダー号。私のはブルーウインド号…というのが こちらの独自設定です。

 それでは、よい夏を過ごしてください…。


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