おとなへの記念日・あとがき

 セリス  この作品は、当サイトの77777ヒットの記念に 久瀬駒緒様に差し上げたものです。

 さてこんにちは、お久しぶりです。
 しばらく小説休業中だったぼくが、 久しぶりに作品を携えて帰ってきました。

 コマさんこと久瀬駒緒さんからの記念ヒットのリクエストは、 「誕生日のセリユリ小説」とのことでした。
 実はコマさんがユリアの誕生日を描いた同人誌を出していて、 それへの感想をぼくがそちらの掲示板に書いたんですね。そこで、 「セリスと出会った日がユリアの誕生日」という小説のネタを 書いたところ、完成版が見たいということで。 その後コマさんが切り番をとった時点で、この作品が彼女に贈られる 運命になっていたと、まあそういう事情であります(笑)。

 ですが、この小説を形にするまでには時間がかかりました。 もともとのネタは、出会った日を誕生日にする、 そこでいちゃいちゃデート(笑)をして贈り物をするというものでしたが、 それだけではインパクトに欠けます。
 そこで、なぜその日をユリアの誕生日にするのか、 ユリアにとって何が生まれた日なのか。それを考えてみました。
 また、私的設定では、二人が出会ってからちょうど一年後というのは、 ユリウスとの最終決戦ぐらいの時期にあたるのです。 のんきに誕生パーティーなどやっている場合ではないかもしれません。 とすると…?
 そんなこんなで、当初の予想からは大きく外れた、 シリアスな作品が誕生することとなったのです。

 この話、テーマがいくつかあるので混乱させてしまったかもしてません。 整理すると、次の3つが主なところです。

(1)セリスと出会った日に、ユリアはセリスという 新しい自分の生きる意味を見出した。 ユリアのもうひとつの誕生日という意味がここにある。
(2)そのとき生まれた夢は同時に、ユリウスを守る夢との対立を 生み出してしまった。そこから自分の意思でユリウスを倒す道を 選んだ。それは、ユリアがおとなになったことを意味する。
(3)ユリアはこれからもう一度、おとなの決断をしなければならない。 それは、セリスと結ばれるかどうかということ。

 (1)は、当初から予定していたテーマです。
 自分の生きてきた理由が、ユリウスを倒すためだったら。 ユリウスがいなくなったら、もう自分はいらないのか?
 それに対し、セリスというもうひとつの自分の生きる理由を見出したと、 ユリアは解答を得たのです。

 (2)は、最近掲示板上で出た「ユリアが記憶を取り戻すと なぜつらいのか」に対する私なりの解答です。
 もちろん、兄を殺さなければならないのはつらいのですが、 それだけではなく、自分のアイデンティティが内部矛盾を 起こしているのがつらいということですね。
 もしユリアがセリスと解放軍に出会わなかったら、ユリアはこの場で ユリウスを「救う」ことに命を懸けていたかもしれません (民衆のことを考え、大義のためにユリウスと戦っていたかもしれませんが)。 ユリアにとって最も大切な存在であるユリウスという目標に、 一直線に向かっていける。それは単純であり、ある意味で幸せです。
 ところが、セリスと解放軍と出会ったことで、(1)で書いた 新しい夢ができてしまって。それが矛盾してしまったこと。 セリス・ユリウスの意思を考えると、「自分の手で」 どちらかの夢を捨てなければならないこと。
 それが、ユリアのつらさだと…思ったのです。
 ユリアにせよ誰にせよ、自分の大切なものが増えてくると、 きっといつか、何かを失わなければならない時が来るでしょう。
 それは、大人になったことを意味するのではないでしょうか。

 (3)は補足ですね。
 私とユリア…どうすれば本当に幸せになれるか、考えようと思います。
 これらを描く都合から、ユリアの心理描写が 多くなり、従ってユリアの一人称を採用しました。

 誕生日のプレゼントは、「絵」にしました。 他の方の作品ではアクセサリー系統が多かったので、ちょっと目先を 変えてみようということで。
 その際、セリスの直筆で、セリスとユリア両方の絵にしたいなと 思ったことから、二人が鏡の前に並び、その姿を思い出しながら セリスが描いたという設定ができました。
 そして、この日はセリスにとっても新たな誕生日だということで、 ユリアからも贈り物をしようと思いました。 こちらは、ユリアの積極性を出したくて、「キス」でいこうかなと。
 最初は唇にする予定だったのですが、この話の終盤を書いていて、 それではどうにも整合性がつかなくて。 (3)の意図するところと合わせようとしたために、 ちょっと切ないくちづけになってしまいました。

 「Anniversary」(松任谷由美)が、この作品のイメージソングです。
 歌詞を知っている方は、なるほど、と思うのではないでしょうか。

 私とユリアが出会ったあの日の意味。
 あなたは、どう感じたでしょうか。

 では、また次の作品でお会いしましょう。



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