聖戦の系譜は、自由恋愛。
しかしながら、ユリアという人はなかなかその恩恵にあずかれません。
そもそも恋愛度がほとんど上がらないため、恋人がとてもできにくくて。
出会ったとたんに愛し合うセリスとは、結局のところ(普通のやり方では)結ばれず。
仮に恋人ができたとしてもエンディングでは、「私はシグルド様へのつぐないをします」
と言って、バーハラに残って恋人と離れ離れになってしまいます。
なぜ、ユリアにはこんなにも恋人ができにくいのか。
私見では、ユリアが「自分には恋愛する資格がない」と思っていそう、なのです。
考えられる理由を、ずらっと並べてみます。
まず、戦争中(ゲーム6〜9章)のユリアが、なかなか恋人を作らない理由。
(A-1) 戦争で多くの人を殺したから。
ユリアは、攻撃魔法使い。自分の手で帝国軍にとどめをさしたことも、多いはずです。
自分たちのエゴ(それは大義名分という看板を持っていますが)のために、
利害に反する相手を強制的に排除するのが戦争ととらえるなら、
自分たちが勝って生き残ったのは正しいからではなく強いからにすぎないと思って。
多くの人の屍の上で自分がのうのうと
あぐらをかく気分になれないのでは…ということです。
(A-2) 記憶を失っているから。
これには、2つの意味があります。
ひとつは、記憶喪失以前の自分に、恋人とか婚約者がいたとしたら、いまの自分が
別の恋人を作ってはいけないという意味。
もうひとつは、昔の自分が帝国に与する悪人であった場合に、そんな自分が解放軍の
重要メンバーの恋人たる資格がないだろうという意味です
(実際、帝国皇女だったわけですが…)
(A-3) 自我が確立されていないから。
これは、(A-2) 記憶を失っているから、に密接に結びつきます。
ユリアにとっての基本的な考え方。人生の目標とか、人の好き嫌いとか、価値観。
そういったものがユリアの中でしっかりしていないし、記憶を取り戻すことで
劇的に変わってしまうおそれがあるから、恋人を作ることに踏み込めない気がします。
次に、戦争後のユリアが、恋人のもとに行かない理由。
(B-1) 戦争で多くの人を殺したから。
上で書いたことと同じです。
(B-2)兄であるユリウスを手にかけたから。
…(B-1)の中でも、これは特別かと。闇の血を継いだ双子の兄・ユリウス…でも、
もしかしたらユリアのほうが闇を背負わされ、死ぬ運命だったかもしれません。
ユリウスが死に、自分だけが生きていることへの違和感が、
ユリアの足を止めさせている…のかもしれません。
(B-3)戦犯であるヴェルトマー家の血に連なる者として。
国民感情を考えるに、「悪」であったアルヴィス・ユリウスの家族が
歴史の表舞台に立ったり、華やかな生活を送るのは相応しくないと思ったのでは。
一般的な政治の筋からいっても、ユリアは謹慎させるべし、との声が
あがることも考えられますが、ナーガの使い手としてユリウスを倒したことで、
一応のけじめはつけていると見ることができるでしょうが。
(B-4)「シグルドへのつぐない」の一環。
これも(B-3)の一側面。ユリアは、「シグルドさまへのつぐないをします。
それがディアドラかあさまの願いだったから…」と言っています。
もしかしたら子供の頃、ディアドラが「シグルドへのつぐない」を続けているのを見て、
自分も恋人を持たず、それを続ける義務を持つと思ったのかもしれません。
(B-5)マイラの教えを守り、自分の血を絶つため。
教えとは…マイラの血を引く者は、子供を1人しか産んではならないというものです。
同じ世代に2人以上血を引く者がいると、その血が交わったときにロプトが
復活してしまうからですね。
現状、(マイラの血を引くディアドラの子である)セリスとユリアの2人がいる状態は、
その教えに反していて。セリスは国王として世継ぎが必要だから、ユリアは子供を残さず、
この教えを守ろうとしたということでしょうか。
ただ、ユリアが子供を産まないと、ナーガの直系もいなくなってしまうのですが…。
(セリス×リノアンとかもありえますけど……政略結婚…)
(B-6)失恋(?)のショックから、恋をしたくないと思っている。
一度は愛したセリスは兄だった…というのは、やはりショックだったでしょう。
「恋愛する資格が無い」ではなく「恋愛したくない」と思ったということも考えられます。
どうでしょう。
こうしてみると、ユリアは私的公的な、さまざまの立場からの義務感にしばられて、
誰の手も取りたくないように思っているのではないか、と感じられます。
でも…、一生このままでは、ユリアも、彼女を愛する男性も、かわいそうな気もします。
あなたが、ユリアに無償の愛を捧げ続けるならば。
がんじがらめになったユリアの心も、いつかは…愛する人に開かれるのではないか。
その可能性を、信じてみてはいかがでしょうか。
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