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禁じられた想い
ふわっ・・・
優しい風が、私の頬を撫でる。 私は、平和な時になった大地を駆けた。そよ風に吹かれ、揺れている草花の大地を。 そして、太陽に照らされ、反射するように輝くバーハラ城を見上げる。 のどかな光景とは対称的に、私の胸にある想いは、どうなるでしょうか。 あの時、事実が発覚してから・・・ そう、セリス様が私の兄だと言うことに。 こんな事実は認めたくなかった、信じたくなかった。 もしも、神様がいるとしたら、願わずにいられないの。 そう想った私は、バーハラ城から蒼い空へ視線を移す。白い雲がない、澄み通った蒼い空を。 蒼い空が、セリス様の同じ色だと認識した私は、急に真っ赤になった。 大樹の影に隠されているのでよく見えなかったが、あの人影はなんであるかすぐ分かった。 思わず顔がほころびそうになった私は、今すぐ駆け寄る。 そこには、私の思った通りの人がいた。 「セリス様・・・」 セリス様の顔を覗いてみると、すやすやと気持ちよさそうに寝ていました。 なんだか可笑しくて、不意に笑いが零れてきた。 セリス様が私の兄様であることは確かだけれども、意地になっているみたいでしょうがない。 その証拠に“セリス兄様”ではなく、“セリス様”なのだから・・・ その時、私にとって、暖かくて心地良い声が聞こえた。 「ユリア、どうしたの?」 「いえ・・・なんとなく」 私はゆっくりとかぶりをふるように、にっこりと微笑んだ。 セリス様はいつもよりも優しい笑顔で、蒼い空を見つめる。もちろん、横になったままですが。 「・・・堅苦しいことはどうも苦手みたいでね、時々来るんだ。ここが一番お気に入りの場所なんだから。」 「時々居ないと思ったら、ここに来ていたんですね。」 くすくす、と笑いながら、返事する私。 セリス様とお話しするのが、非常にたのしくてしょうがないの。 ふわりと優しい風が、一瞬吹き抜ける。 それと同じく、私の髪もなびかせた。 そして、新しい命が宿った草木もゆらゆらと揺れている。ほんのりと優しく。 先ほどの聖戦では考えられないことだった。 忌まわしい戦争を忘れられるほど、美しいようなものであった。 景色に魅入られた私は、胸の奥にある気持ちを漏らしてしまった。 「セリス様が、私の兄様じゃなければ良かったのに・・・」 「え?」 セリス様は素っ頓狂な声を出したが、意味がわかったのか、不意に黙り込んでしまった。 当然でしょう。セリス様の妹である私がこんなことを言ってしまっては。 時間が経つにつれて、私の不安が大きくなり・・・ 涙が溢れそうになるのを懸命にこらえる。 「確かに僕達は同じ血が流れる兄妹。でも、絆も結ばれていると思うよ。ユリアは妹じゃなくて、大切な人だから・・・」 セリス様の言葉に、熱いものが胸にこみ上げてきて、ポロポロと零れてしまったの。 嬉しいのに、どうして涙が出るのか、分からない。 セリス様は、ふと何か思い付いたように口を開いた。 「そう言えば、ユリアの父上と母上は異父兄妹だったよね。」 「そうですけど・・・あっ!」 「と、いうことは・・・」 セリス様と私は、ぐっと拳を握りしめた。
いけるっ!
・・・と。
おまけ
(ロクト様の後書き) 初めて書いたので、出来ははっきりいって駄作です。
時代は、最後の聖戦から半年経ったでも考えてください。
最後まで読んで下さった貴方に感謝します。
(コメント by セリス様〜)こちらは、ロクト様から投稿していただいた小説です。 序盤の風景描写、心理描写が美しいですよね。それがあるからこそ、 最後の落ちとのギャップがうまく出ていると思います。 「いけるっ!」と言う二人に対して、 「どこへじゃー!」というツッコミは無しですよ(笑)。 シグディアの会話も、鋭くて深いですね…。 ロクト様へ感想を伝えたいという方は、メールで こちらまでお願いします。 |