バカ殿のうらばなし おやおや、ここまで来るとは、
あなたもよほどの暇人ですね(笑)。ここでは、この物語の裏設定や、フォローコメントなど…要するに蛇足を、 だらだらと書き連ねたいと思います。本当は、こんな説明などしなくても 全てを理解してもらえる文章を書くのが理想ですけれど、なかなかそうも…ね。 ここから後は、「ぼく」は、管理人・マルチくうねるを指すと思ってくださいね。 あと、文章の裏設定などを細かく書いていますので、行間を読むのが好きな方とか、 想像の余地を残しておきたいという方は、読まないほうが良いかもしれません。 1.バカ殿誕生までの道 2.ぼくとセリス様のギャップ 3.大掛かりなうらばなし 4.章ごとのうらばなし 5.サブキャラたちについて 6.歌について 7.参考文献 8.挿し絵について 1.バカ殿誕生までの道 全27ページ…まさかここまでの長編になるとは、予想外でしたねえ。 この話の原型は、佳月千紗様のFEサークルの会誌での、 「もしも、FE世界の住人になれるなら?」という企画トークでした。 会員の皆様が「アルヴィスになって世界を支配」とか、 「フィーになってアーサーとラブラブ」とか、色々な想像をしていましたね。 そんな中、ぼくの答はもちろん…!「セリスに(以下自明なので略)」でした。 ただ、ぼくはイラストが描けないので、それだけでは与えられたスペースが余るんですね。 そこで、そこに「具体的な描写」を入れることにしました。 ユリアとの楽しいデートの様子を、つらつらと書き連ねたわけです。 そして、「マルチくうねる扮するセリス様の華麗なる一日」と題して、 この大バカなトークは完成しました。 書き終わってから、ぼくは少し後悔しました。 ただし、それは「なんて間抜けな妄想をしてしまったんだろうか…」という意味ではなく、 「まだ、まだ書き足りない!あれも、これもしたかった!」という意味だったのです。 デートも一日だけではなく、何日も!食事をしたり、いっしょに歌ったり、 手をつないで歩いたり、それからそれから…。 そんな感じで膨らんだ妄想をぽつぽつ貯めて、「これはいける!」という手応えを得ました。 こうして、このページ開設と同時に、「バカ殿セリス様・華麗なる日々」の連載が 始まったのです。 2.ぼくとセリス様のギャップ この小説で、ぼくが終始苦しんだのが、「ぼくと、セリス様のギャップ」でした。 「セリス×ユリア」と、「自分×ユリア」を同時に描くという構想に、 そもそも無理があったようです。 最初の構想は「ぼくがセリス様になって、ユリアとあ〜んなことや、 こ〜んなことを…」という小説になるはずでした。 ところが、「あとがき」にも書いた通り、ぼくがいくらバカになっても、 ユリアは、ぼくと「いちゃいちゃ」するような壊れ方をしてくれないんです。 ぼくがユリアを神聖化していて、彼女は「ボケ役」になれないんですね。 かと言って、無口でおっとりした性格のユリアに、ぼくのボケに対する 「ツッコミ役」を期待するのも、少々無理があるでしょう。 当初の構想は、ユリアの背負うシリアスな物語背景を前にして、 3章あたりで大幅な変更を余儀なくされたのです。 これ以降、ユリアは基本的にシリアスキャラということになりました。 さて…、そうなると、また一つの問題が生じます。 「光の公子」セリス様と、「神竜の皇女」ユリア様とならば、崇高にして美しい、 お似合いのカップルと言えるでしょう。 また、セリス様に扮した暴走野郎のぼくと、それに伴って壊れたユリアとなら、 まあ、釣り合いは取れたでしょう。 ところが、ユリアをシリアスキャラにしたことで、そのバランスが崩れてしまったのです。 気高く強い皇女・ユリア様の相手として、何の力も無いへなちょこ一般人のぼくでは、 まるっきり釣り合いが取れないのです。「セリス様×ユリア様」ならともかく、 「ぼく×ユリア」では、誰も祝福などしてくれないでしょう…。 と言うより、ユリアがぼくを好きになるなど、どう想像してもあり得ないです…(涙)。 そこでやむを得ず、ぼくを、実際よりも強い人間に成長するように設定しました。 ぼくとユリアの恋愛の物語、と決めた時点で、そうするより他に選択肢が 無くなってしまったのです。 実際のところ、ぼく自身は、精神的にあんなに強くありません。 その点は、お間違えの無いように…。 具体的には、第5章あたりまでは「ぼく×ユリア」の要素が強いですが、 第6章からは、かなり現実の自分よりも強いセリスになっています。 こうして、途中から「セリス様×ユリア様」の物語の要素が濃くなりましたが、 第10章で、それに別れを告げました。 アルヴィス皇帝を、自分の手で殺すか否か。これが、この物語を書く上で ぼくが一番悩んだ選択でした。 ぼくがセリユリを好きな理由…、ユリアの相手として、スカサハでもアーサーでも 他の誰でもなく、セリスを推す理由の第一は、 「セリスだけが、ユリアの悲しい宿命を身をもって理解し、 ともに自分の手を汚すことで、その辛さを分かち合えるから」なのです。 聖戦士の武器を持ち、自分の意思で、公の大義のために、重い責任を伴う行動をする。 それでこそセリスであり、ユリアの恋人たる資格を得る…、と、思うのです。 それは端的に言えば、「自らアルヴィスを殺してこその、セリス×ユリア」と いうことになるのです。 ただ、それを行うには、シグルドの遺志を継ぎ、光の公子として道義心を持ち、 打倒帝国という大義を行う…、そんなセリスで無ければなりません。 「ぼくが演じるセリス」は、どう考えてもそんな人物ではありませんでした。 「世界が滅びようとも、ユリアを愛することが全て」。これが、 ユグドラルでのぼくの人格です。従って、アルヴィスは殺せませんでした。 この時点で、この作品はぼくにとって、「セリス×ユリア」としては不完全なものに なってしまいました。「大義のために手を汚す」ユリアと同じ立場にならず、 綺麗ごとだけを言い、私情に走ったぼくに、ユリアを愛する資格など無いのではないか…。 今でもそう思うこともあります。この作品では、その矛盾には目をつぶり、 「同じ立場でなくても、愛し合うことはできる」ということにしてしまいました。 …ずいぶん、独り善がりなことを言っていると思うかもしれません。 でも、ユリアが出ない第10章を何故書いたか…その舞台裏には、 こんな葛藤があったのです。 3.大掛かりなうらばなし この話は、大きく3つの部分に分けられると思います。 序章〜4章が第一部、5章〜8章が第二部、9章〜終章が第三部ですね。 第一部は、ユリアとの出会いと、こころの旅への出発…という感じですか。 4章後編で、「きみのことを知りたい」とぼくが言ったことで、 はじめて二人の関係は本当のスタートラインに立ったことになります。 第二部は、ぼくの精神の成長と、ユリアの過去への恐れ、 そして二人の理解が進む…というのが主なテーマです。 デートなど、さまざまな経験を重ねることで、お互いを少しずつ理解し、成長し、 好きになっていくのですが、ただひとつの障害が、「ユリアの過去」だったのです。 第三部は、ユリアを求める戦いです。第二部までで、ユリアのおかげで (精神の一部だけ)凛々しく成長したぼくと、過去と向き合うこととなったユリアとが、 「ユリアの心」を求めて、激しく戦いました。 この物語が始まってから終わるまでの間に、ユグドラルでは一年以上の時間が流れています。 公式設定で、実際にセリスが戦っていた期間がどれくらいかは知らないのですが…。 序章が春先、1〜3章が春、4章が梅雨(ユグドラルに梅雨があるのかは知りませんが)、 5〜6章が夏、7〜8章が秋、9〜11章が冬、そして終章には再び春が巡ってきます。 もうお分かりでしょうが、季節の描写を、ぼくたちの関係にシンクロさせています。 草の芽吹く春の後、雨降って地固まり、成長期の夏、実りの秋、厳しい冬を経て、 再び春に花開く…。いかがでしょうか(笑)。 なお、大まかに言って、ゲーム中での1ターンは、ユグドラルでの1日程度に相当すると 考えています。子供世代で1章あたり4〜50ターンほど、計250〜300ターン程度。 戦争をしていない期間も含めて、1年以上、という計算になります。 7章前編で、コノートからトラキア領内まで、竜騎士でも片道で数日はかかる…、 とありますが、そのあたりから計算してもらえればお分かりかと思います。 この話で、ちょっと自分のイメージと違ったのは、ユリアが饒舌なことです。 ぼくの考えるユリアは、かなり無口、無表情な、一見すると暗い女の子なのですが…。 この話は、基本的に、ぼくとユリアのコミュニケーションによって 話が進んでいます。話し合うことで、お互いを少しずつ理解する、という形ですね。 ですから、ユリアが黙っていると、話が全く進まないのです。 そこで、やむを得ず、ユリアにたっぷり喋らせました。 それでも、小説中で描いたシーン以外では、ユリアは基本的には必要なことしか話さない、 無口な人…というのが、ぼくのイメージです。 もっとも、方便としてぼくが描いた、「最初は無口で感情を閉ざしているけれど、 だんだん心を開き、積極的になり、表情豊かに話すようになる」ユリアも、 こうして見ると、とても魅力的だなー、なんて思ったりもします。 ユリアの、ぼくへの気持ちについて…。 1章で、ぼくがユリアに「きみを護る」と伝えたあの時点で、 ユリアはすでにほのかな恋心を抱いています。 それからも、その気持ちは順調に成長して、3章あたりで、 もう心の内は「愛してしまったようじゃ」状態ですね。 ただこの時点では、お互いの存在に新鮮な魅力を感じている段階であって、 心の内面の理解はできていなかったのです。その壁が、4章で表面化します。 お互いを理解しあい、心の壁を乗り越えようとぼくたちは決心し、 5〜7章で、ユリアはぼくのさまざまな側面を見て、心を傾けていきます。 ただ、同時に、ぼくを好きになることが、恐く感じられるようになります。 一度、「大切なものを失った」経験のある(それを覚えてはいませんが)ユリアだけに、 人を好きになることが怖かったんですね。 本気で好きになって、セリス様に拒まれたらどうしよう、と思ったり、 失われた過去に対する漠然とした不安を抱いたり…していました。 8章の時点で、すでにユリアの気持ちはほぼ決定的でした。 ただ、唯一の引っ掛かりである「過去」をまだ乗り越えられなかったせいで、 ユリアはためらってしまったんですね。 転章以降は、本来の「強いユリア」です。孤独であっても、決してあきらめない。 そんな強さをユリアにもたらしたのは、父アルヴィスであり、母や兄であり、 レヴィンであり、そして…てへへ、ぼくだったんですね。 こういった設定で読むと、ユリアの一つひとつの仕草に、裏の意味が見出せて、 面白いと思います。 ユリアの「笑顔」について…。 いつも冷静で、無表情なユリア。お付き合いで愛想笑いを浮かべることなどありません。 また、ほんの少し気持ちが緩んでも、微笑を浮かべたりはしないのです。 ただ、その分、ユリアの笑顔には希少価値(?)があります。 ユリアの笑顔は、2つのランクがあります。 ひとつは、誰かを元気付けようとして、作って見せてくれる笑顔。 1章後編の「セリス様って、面白い方ですね…」と、4章後編の仲直りの時の笑顔、 8章中編で、ミレトスで買い物をしようと言うぼくに対して見せる笑顔がそれです。 もうひとつが、「喜びのあふれる笑顔」。ユリアは、嬉しいことがあったときでも、 それを失う恐さを知っているせいで、喜びを隠そうとする癖があります。 だから、普段は笑顔を見せません。ただ、感情をコントロールできるユリアでさえ 隠しきれないほど、どうしようもなく大きな喜びの波が押し寄せたとき…、 それが、笑顔となって現れるのです。どちらかと言うと、「泣き笑い」に近いですね。 この笑顔は、1章後編のユリアの最後のセリフ「セリス様…。」の時と、 11章中編で、闇から目覚めたときの「本当にわたしを護ってくれたのですね。」の時、 12章後編の、結婚話(?)を受けたとき。 たった3回だけ、見ることができました。 結局、ぼくが見たユリアの笑顔は、1年間の物語を通して、計6回でしたね。 …「希少価値」という意味、わかりました? 次に、腕輪についてのこぼれ話をひとつ。 5章後編で、ぼくがカスタネットを叩いて芸人からもらった古ぼけた腕輪は、 実は40000Gもの値打ちのある逸品です。 6章後編の最後できらりと光ったこの腕輪が、その真価を発揮するのは、 11章中編のことです。すでに瀕死だったぼくにとどめを刺そうとしたユリアのリザイアを、 腕輪は次々と吹き散らしました。 「生き残って、ユリアを救いたい」というぼくの心からの願いが、腕輪の力を引き出したのです。 この腕輪のおかげで、2回目以降のリザイアを全て避けることができました。 SFC版のゲーム中にも登場したこの腕輪の名前、いったい何でしょうか? ふふふ、当ててみてください。 それにしても、そんな高価な腕輪を景品にぽんと出してしまうあの芸人、 一体何者なのでしょうか?どうも、ぼくの正体を知っていた節があります。 「トラキア776」に登場の詩人、ホメロスという説もありますが、 彼ならユリアに口説き文句のひとつも言いそうなものですし…、謎ですねえ。 物語終了時点での、ぼくのパラメータを書いておきましょう。 セリス:シビリアン Lv 1 Ex 0 HP:24 力:0 魔力:0 技:2 素早さ:2 運:10 守備:0 魔防:10 武器レベル:剣C 武器:細身の剣(E) ☆0 ティルフィング(装備不可) ☆0 ご覧の通り、まったく話になりゃしねえって感じです。 この他に、先ほど触れた腕輪がありますが…。 ちなみに、トラキア776で言う「体格」は、3ぐらいですね。 ユリアをかつぐのは無理です。ユリアがぼくをかつぐのは、しんどいですができます(爆)。 でも、8章中編でのマジックシールド(「告白」のおかげで、効果3倍増です)のせいで 魔法防御が上がっていたので、転職前のユリアのリザイアの一撃には耐えられました。 まさに、「愛は人を救う」ですね(笑)。 4.章ごとのうらばなし 細かい設定、描写の裏に隠された真相、などについてお話ししましょう。 序章は、特に言うことは無いです。ユリア未登場ですし(笑)。 1章。ここのテーマは、「現実感」ですね。 書きたかったのは、ずばり「生ユリアだああ〜〜っ」の台詞です(爆)。 これを書くために、わざわざ「バカ殿」の話をティルナノグからスタートさせたんですね。 ゲームの中でのグラフィックとは違う、現実のユリアを見た喜び…、 それが伝わったなら、この章は成功です。 いやー、それにしても。「生ユリア」ですよ、な・ま・ゆ・り・あ!見たいと思うでしょう、 抱きしめたいと思うでしょう!ねえ。本当に、ぼくがユグドラルに行って、 「現実の」ユリアを見られたら!そう思うだけで、もう堪らなくなります。 アイドルの追っかけの人が行列してコンサートに出かける気持ちが、 はじめて分かった気がしました(笑)。 1章後編では、早くもぼくの妄想癖が爆発します。ユリアに声をかけるだけで、 あれだけ苦しみ、妄想を膨らまし…書いていて面白かったですね。 初会話だけで1ページ分の話が作れてしまうとは、予想外でした。 ただ、ユリアを少し明るくしすぎたのが反省点。もう少し台詞を少なく、 仕草で語らせれば良かったかなと思います。 2章。おとなしくて、無口・無表情というユリアの側面を出しました。 普段は行動がスローテンポなユリアの神秘的な魅力、出せたらいいですね。 最後に、「ユリアの瞳がきらりと輝いた」のは、彼女の気持ちを表しています。 霧の中に沈んだ心の、ひとかけらの灯火…ですね。 渡す魔道書を、オーラとリザイアのどちらにするかは、少し迷いましたが。 結局、ぼくがゲーム中に実際に取った、リザイアにしました。 オーラはディアドラの形見ではあるのですが、この話ではシグルド・ディアドラを あまり出さないつもりだったので…。結果的に、11章中編で 「ユリアになら殺されてもいい」というシーンの演出効果が出ましたので、 リザイアで良かったんじゃないかな…と思います。 3章。テーマは、「手を握る」ですね(笑)。ぼくのドキドキ感が伝われば嬉しいです。 ただ、ぼくは、あの時点でユリアにとって自分が特別な存在になったとは思っていません。 たまたまあの時の相手がぼくだっただけで、相手がスカサハでもラクチェでも、 同じように感じ、同じように答えたんだろうな…、と思っているのです。 あと思ったんですけど、「ローブにドレスにサンダル」って、 意外と砂漠の旅に向いていそうです。実際、エジプトなど砂漠の国の民族衣装って、 それに近いのではないでしょうか?あとは、日差しを避ける帽子があれば完璧ですね。 4章。「バカ殿」の、大きな転機になった章です。テーマは、「戦う覚悟」。 先ほど書いた、「ぼくとユリアでは釣り合いが取れない」ということを自覚したのが、 このあたりですね。 さらに、4章中編を書く途中で、「ずっとラブラブ安定状態では単調なので、 たまにはユリアとの間に溝を作ってみたらどうかな…」という発想が生まれました。 それは、ぼくとユリアの間の無理解…、別の言葉で言うと、文化や環境の違いの壁、 というところでしょうか。 ユリアは、ぼくが好きだから、決死の思いで敵を倒し、 懸命に看病してくれたんですよ…。それが拒絶されたショックは…ねえ。 4章中編には、以前「雨は激流に」というタイトルがついていましたが、 この「雨」は、ユリアの心に後々まで…、7章まで残ることになります。 で、中でも、ぼくとユリアの最も大きな違いは何かな…と考えると、 やっぱり「戦えるか」というところに行きつくと思ったのです。 それも、体力・技術の問題よりも、むしろ、心構えの点において。 ぼくは、まだ、自分の目の前で人が死ぬのを見たことはありません。 それって…人の全歴史の中で見たら、かなり珍しいことなのではないでしょうか? ぼくがいきなり戦争中の国に放り出されたら…、そりゃあ、怯えますよ。何もできないです。 また、敵を殺す気持ちのある兵士の迅速な行動などを見たら…きっと、怖さを感じますね。 それに、ユグドラルでのぼくは、まだ帝国のひどさを肌で知りませんからね。 実際に傷つけられようものなら…「戦いなんて、怖いから止めようよ〜」 …となるのは、目に見えています。 恐れ多くも、ぼくがユリアの心に届こうとするのなら…。 まず、この点を乗り越えなければならない…。 そんなことを思って、4章を書きました。 実際に、ぼくが「戦う理由」をはっきり自覚するのは、9章まで待たねばなりません。 ですが、1章後編の最後の文をご覧ください。あの時点で、 無意識のうちにぼくの「戦う理由」は決まっていたのです。 ただ、ユリアは、ぼくが戦いたがるのをあまり快く思っていません。 弱いぼくが危険な戦場に出て行かないでほしいと、常に心配しています。 4章前編で、ライザ隊との戦いに出陣しようとするぼくを見守るユリアは とても不安そうでしたが、それはもちろん、 ぼくに危険を冒して欲しくない、という意味だったのです。 この、ぼくを心配するユリアの心理は、7章後編でユリア自身が詳しく語っています。 4章中編の冒頭と、後編の最後では、ぼくが宇宙空間を泳ぐ夢を見ています。 宇宙空間がユグドラル世界、一等星がユリア、 敵の宇宙戦艦がロングアーチ(その背後にある、戦争という現実)を象徴しています。 4章後編の文章を読めば、だいたいぼくの意図はお分かりいただけるでしょう。 あと、蛇足ですが、FEは本来、ゲーム版よりももっと大人数の戦争のはずです。 ただ、それでは物語の展開がちょっと面倒なので、あえてそのあたりはいい加減に処理し、 名も無い一般兵士は出てこないかのような描写にしました。 5章。実は、これこそが、連載開始当初から念頭にあった、一番書きたかった部分です! テーマは、平和な世界で、「多面的なユリアの魅力」を見せることでした。 先ほど書いた、「バカ殿」の原型になったトーク。あそこに書いた話を、 ほぼそのまま持ってきています。特に、5章前編の、朝の妄想風景は、 ぼくにとって会心の出来ですね(笑)。 また、待ち合わせの場所での会話で、ごまかそうとするぼくにユリアが食い下がったのは、 4章の「お互いの事をもっと知りたい」というぼくの言葉を、 ユリアが重く受け止め、実行しようとするという、 ユリアの責任感と積極性を表しています。 デートの途中、花のアクセサリーを買う場面は、原型のトークそのままです。 アクセサリーの店でぼくたちの仲を冷やかされたとき、ぼくは真っ赤になって慌てましたが、 ユリアは一見、平静を保っています。それでぼくは、ユリアに気が無いのかと思いましたが…、 実際のところ、ユリアの内面はドキドキものだったのですよ(笑)。 ただ、ユリアは感情を隠すのが上手なので、しばらく時間が経ってから、 平静を装って「恋人ではありません。」と告げたわけですね。 昼食のシーンは、ユリアの意思の強さ、しっかり自分を持っている、 そんな側面を描きました。 カスタネットを叩くシーンは、ユリアにも、弱点ぐらいあるんだよ、という意図。 ちなみに、ユリアにリズム感が無い理由は、小説内にある通りですが、 ぼくがうまくできた理由は…。 ビートマニアシリーズなど、ゲームセンターの音楽系ゲームに慣れていたからです(笑)。 ……いや、「ぼくがユリアに勝てることは何かな…」と考えると、 出てきたのが、せいぜいこれぐらいのものだったんで…。 やっぱり、ユリアに勝つって、難しいですよ…。 最後の公園のシーン。ただ、夕暮れの雄大な自然を描こうと思って付け加えたのですが…。 デートの巻の締めくくりとして、何か「オチ」が欲しいな、と思ったのと、 前編で「監視をつける」という伏線を張ったので、それを生かしたいな…と思った ところから、あんな展開になりました。 5章執筆時点で、すでに8章の漠然とした構想はありました。 そのための伏線を、色々と張り始めたのがこの時期ですね。 「だ〜れだ?」作戦の全容をユリアに教えた…と5章前編で書いた時点で、 将来ユリアがこれを実行するな…、なんて感づいた人は、どれだけいたでしょうか。 6章はタイトルがお気に入り。まさに、過去からの呼び声です。 イタコユリアに取りついた存在って、誰だったのでしょうね? 口調からすると、ディアドラ母上のような気もします。 そして、ユリウス皇子が姿を現し…。 家族と再会することで、ユリアの中の何かが目覚めはじめます。 なお、6章でイタコ状態から立ち直ったユリアが、一度ぼくを避けるシーンがありますが。 あの原因は、当時のぼくの推測とはちょっと違います。 ユリアは、自分が特別な存在なのではないかと、ずっと悩んでいました。 胸にあるナーガの印などを見るにつけ、孤独感に苛まれてきました。 今回、ぼくにイタコ状態を見られて、ぼくがユリアを怖がって、 避けてしまったという印象を持って…。それが、ユリアを不安がらせたのです。 ただ、イタコユリアを見てもぼくが逃げなかった事は、 着実にユリアの中でポイントになっています(笑)。 一方、ぼくにとっては、6章は成長のきっかけとなる話です。 イシュタルがユリアを攻撃したとき、我を忘れてユリアを助けようと動いたことは、 ぼくの中の何かを変えました。…たとえその行動が、実際の戦闘には何の役にも 立たなかったとしても…(笑)。 イシュタルも、戦う理由の大部分は「愛」ですよね…。愛のために死ねるぼく (…嘘だろ?(笑))の心の声が、同じ気持ちを持つ彼女の心の琴線に触れた…。 それが、イシュタルがぼくたちを倒さずに去った理由だったりします。 うーん、ぼくが格好良すぎる。こんなの、ぼくじゃない…(爆)。 7章は、ちょっと書くべきテーマが揺れ動いていて、不調だった時期です。 ぼくは、あまり気に入っていません。 前編のアーサー達によるマジックシールドの説明がちょっと長すぎたかな、と。 ユリアメインの話なので、こういう場面はもっと簡潔に書きたかったですね。 トラバントがらみのギャグは、暗くなりがちなこの小説を少しでも明るくしようと思って 付け加えたのですが、その後に続くアリオーンがらみのシリアス話とのバランスが 崩れてしまい、ちょっと後悔しました。 あと、ユリウス皇子って、ぼくと会うのはここが最後なんですよね、 この話では…。ちょっと尻切れとんぼかなって(笑)。 8章。テーマはもちろん、「告白」。 5〜7章で張りまくった伏線をフル活用した、贅沢な一品です。 ぼくとしては、会心の一作といいますか、最高のお気に入りですね。 ユリアは、普段は冷静沈着な巫女として、ほぼ完璧に自分を律しています。 ですが、ごくたまに心が揺れ、女の子らしさが見えるのです。 ぼくとしてはそこが、一つの大きな魅力ですね。 で、この8章で、その可愛らしさが存分に発揮されています。 それは、もうすぐそこまで迫ったぼくとの別れを予感して、 恐怖していたところから来ていたのですけれど、ね。 7章の本文でも触れていましたが、マジックシールドは「人を想う」強烈な心が必要です。 つまり、マジックシールドをユリアがかけたとき、ぼくを抱きしめたのは、 ぼくを想う強い気持ちを、ぼくの心に流し込んでいたわけですね。 で、ぼくがそれを受け止めること、気持ちを一致させることが、 マジックシールド成功の秘訣となります。 …結果として、あの「告白」は、必然であり、ベストタイミングだったわけです。 ユリアの持つ、ナーガの聖痕がどこにあるのか、公式設定は知りません。 ただ、ユリアがナーガの後継者であることは終盤まで判明しなかったわけですから、 他の人には容易には見つからない場所でしょう。で、「おいしい」場面を作ろうという ぼくの目論みと相俟って、あんな場所に聖痕を置くことにしました(爆)。 ただ、「ナーガのしるし」って、太陽のようなマークという話もありましたけどね。 言われてみれば、「竜の紋章」では、身体につく傷の形としては複雑過ぎたかも…。 9章。これは、書かなかったほうが良かったかも知れない…。 そういう後悔に、捕らわれる時があります。 これを読む方は、多分、暴走セリスと可憐なユリアのラブラブストーリーを 楽しみにしているのではないかと。この話は、そこから全く外れています。 その点では、申し訳なく思っています。 ただ、「ぼくがセリス様になる」という設定で小説を書くと、 どうしても「用意されたお話をなぞる」ようになってしまいそうなのです。 ぼくが何をやっても、結局はユリウスが倒され、既定のエンディングに 行けるのだろうと…。 それを否定するのが、9章を書いた意図でした。 また、ユリアのいない9〜10章を省略すると、 この時期にぼくが長く苦しんだことが隠れてしまいますからね。 「苦しみの時期」をしっかり描写することも、必要だと思いました。 なお、9章前編では、文章やぼくの台詞に、かなり辛口の皮肉がありますが。 べつに、加賀昭三さんやFEの製作者の方々を批判しているわけではないです。 「自分の力で、物語の大筋を変えることができない」のは、 コンピュータゲームである以上ある程度仕方ないわけですし。 むしろ、9章後編に書いてあるように、FE聖戦はかなり自由度が高いと思います。 でも本当は、「バカ殿」では、ぼくの考えが実行されて、 ユリアが無事に済む筋書きも考えたんですけれどね。結局没になりました。 …今でも、そちらの方が良かったかと迷うこともあります…。 転章は、ぼくの側からの語り口だけでは、ユリアの気持ちがあまり見えないので (特にユリアは、感情を抑制する人ですからね)、 ユリアの視点での話もしようと思って書きました。 「ユリアも、セリスに支えられて強くなった」ことを明示するのが目的でした。 ただ、ここで一つ大失敗をやらかしているんですよ。 アルヴィスが去ったとき、「それが、お父様との最後の別れでした。」とあるでしょう。 これを書いた時点では、ぼくがアルヴィスを殺すつもりだったんですよ。 で、変心してアルヴィスを殺さない、と決めた時点で、この部分をふと見て、 「しまったぁぁぁっ!」って(笑)。これ、書かなきゃ良かったなあ、と後悔しました。 結局アルヴィスは、「どこかで生きているかも…」という希望が残る、 というあたりで妥協することになりました。エーギルが尽き、 バルキリーでも復活不可能になっても、竜族フォルセティ(アルヴィスなら、サラマンドかな?) の力なら、復活ができるかもしれません。 アルヴィスがそれを望むかどうかは、微妙ですが…。 10章については、先ほどの「ぼくとセリス様のギャップ」の話でほとんど 言い尽くされています。 もう一つ、SFC版にあったシグルド・ディアドラの亡霊との会話イベントについて。 「セリスよ、人の悲しみを知れ」というシグルドの台詞は、ぼくが一番好きな言葉ですが、 本作ではあえてこのイベントを外しました。 あれは、「セリスがアルヴィスにとどめを刺した場合のみ発生する」ものであり、 ぼくはアルヴィスを殺せなかったからというのが、その端的な理由です。 もっと詳しく言うと、ぼくのアイデンティティは「ユリアを護る者」だけであり、 「光の公子=シグルドの遺志を継ぐ者」ではなかったから…、ということになります。 このイベント、シグルドの言葉の意味については、「歴史に学べ!」で語っています。 結局、ぼくの武器はティルフィングではなく、細身の剣のみ。 それも、一度も振ることはありませんでした。 11章。決戦です。テーマは、「愛にすべてを」(爆)。 9〜10章で確立された、「世界よりもユリア」というぼくの哲学は、 ここでのレヴィンとの問答に集約されています。 ぼくのような弱い人間は、大義とか世界とか、難しいことを考えるのではなく、 一つの対象に集中してはじめて、何かをやり遂げることができる…そんな気がします。 11章で、鍵となるのは、「涙」。ぼくも、ユリアも、滅多に泣かない人間です。 ぼくは、感受性が弱い、鈍感なやつだから。ユリアは、壮絶な運命にもてあそばれてきたから。 …ともかく、ここ数年にわたり、二人とも、一度も泣いていません。 それぞれが、自分に与えられた…、いや、それだけではなく、 「自分で決めた」使命を果たしたとき、充実感と安堵と、 それを分かち合う相手がいる喜びと、辛い運命に立ち向かう感動とで…、 涙をあふれさせたのです。 後編で、「ユリアが別の意味で『無事』だったのか、非常に気になる…」 というぼくの心の声がありますが…。あなたも、やっぱり気になるでしょうか? ぼくの物語解釈では、ユリアは「無事」です。 ロプト帝国が子供狩りを行ったのは、純粋な子供を争わせ、暗い心を植え付けることで、 ロプトの忠実な僕にする目的があったわけで、要するに暗黒神は、子供や若い女性、それも 「純粋な、汚れの無い存在」を生贄として好むと思われます。 FE紋章の、メディウス復活のときも、捕らえられたのは4人の女性司祭でした。 そういうわけで、ユリアにも無用の迫害はしないでしょう。 また、ブラムセルは俗物ですが、マンフロイはじじいですし、 人生の全てをロプトウス復活に懸けているっぽいので、 いまさらユリアにどうこう…という趣味は無いでしょう。 あいつの趣味は、ぼくとユリアの殺し合いを見物することだったわけですね。 そんなわけで、ユリアはわだかまりなく、ぼくの身体を暖め……って…(笑)。 11章後編で、ユリアがぼくの身体を暖めた方法って、何なのか…。 明示していませんけど、想像はつきましたよね? でも、木の下とはいえ、大平原の中でアレは…。 ぼくを助けるユリアの必死な思いが、羞恥心を上回ったわけですね(爆)。 ユリアの称号が、巫女(シャーマン)から賢者(セイジ)に変わったのは、 この後のことです。 ユリウスとの最終決戦は、ぼくの出る幕ではありません。 ティルフィングを握れなかったぼくが、どんな美辞麗句を並べてユリアの辛さを語っても、 説得力ゼロです。なので、目に見える事実だけを淡々と語りました。 終章…。色々悩んだ末、完全ハッピーエンドで終幕を迎えました。 ぼくとユリアが結ばれるのかどうかは、大変に難しい問題です。 たとえお互いが好きであっても、兄妹であり、ともにロプトの血を引くため、 そう簡単には…、いえ、道義的には絶対、結婚はできないはずです。 少なくとも、ロプト帝国の非道に苦しみつづけた国民は、 決してぼくたちを祝福しないでしょう。 逆に、そんな「結ばれない二人」も、セリユリの大きな魅力ですよね。 でも、「バカ殿」の物語の原点は、ユリアとの恋愛を思いっきり楽しむこと、でした。 セリユリから、血の禁忌を取っ払ってしまって、ひたすら楽しく愛し合おう、と。 だから、「バカ殿」では、深いことは考えず、二人で幸せになる。 そう決めました。ついでに、ユリアにも少しだけ壊れてもらいました(爆)。 即位式典を結婚式に変えてしまう、強引で豪快なラストは大のお気に入りです。 ぼくとユリアが、本当に結ばれるべきなのか…、これについては本作ではなく、 いずれ機会を作って「最後の決断(仮題)」という物語で扱いたいと思います。 ぼくとしては、5、8、11章あたりが、出来が良いのではないかと思います。 皆様の評価は、いかがでしょうか。 5.サブキャラたちについて 「バカ殿」のメインキャラクターは、言うまでも無くぼくとユリアです。 はっきり言って、他の人々は全員端役と言って良いですね(爆)。 他の人が登場するのは、あくまで、ぼくとユリアとの物語を盛り上げるためです。 でも、そんなサブキャラクターたちにも、一人一人に個性があります。 ゲーム中に現れる性格もありますが、ぼくが独自に肉付けした性格というものもあります。 ここでは、ぼくとユリアの恋愛成就に大いに貢献してくれた、 彼らサブキャラクターについて語ることにします。 ・レヴィン 「バカ殿」のサブキャラたちの中で、最も出番が多かったのは彼でしょう。 シリアス、コメディシーン、ともに非常に重要な役目を果たしてくれました。 レヴィンの最も重要な役回りは、「押さえ役・ツッコミ役」です。 彼の目標は、ロプト帝国の打倒と解放戦争の勝利。 ユリアしか見えていないぼくの手綱をうまく引き締め、解放軍の指導者という 本来の役割を務めさせようとしています…、1章前編、3章、4章後編、7章前編、10章など。 ふがいないぼくを厳しく叱る事も多かったですね。 その試みは、解放戦争の勝利という意味では成功でしたが、 結局…、ぼくの性格そのものは変えられなかったようです。 また、ユリアの育ての親でもあり、ある意味でユリアをぼく以上に知っている 人物でもあります。それだけに、ぼくとユリアの関係にはずっと注目していました。 4章後編や7章前編などで、ぼくのユリアへの気持ちを見抜き、 それをずばりと突く台詞を吐いています。ずっと育ててきたユリアに対する情もあり、 ぼくがユリアと正しく生きていけるのかどうか、温かく見守ってくれています。 9章で、ユリアがさらわれた事にぼくが絶望し、レヴィンを厳しくなじっても、 レヴィンはそれを受け流し、ぼくを立ち直るのを助けてくれました。 11章前編でも、ユリアの元に行くぼくの覚悟を試し、 適切なアドバイスを与えてくれました。 それが、彼の目的に繋がる事だからではあるのですが…、 ぼくとユリアに対して思いやりを持ち、非常に親切に接してくれています。 彼の正体は、竜族フォルセティ…。ロプトウスがユグドラルを蹂躙するのを見かねて、 人間の味方をすることにした、お人好しな風の竜です。 竜族は、基本的に自分たちが人間に関与する事を禁じています。 ちょっかいを出すのが好きなフォルセティでも、それは変わりません。 ただ、彼は自分の人間への情と、竜族の掟との狭間で、ずいぶん苦しんでいました。 彼がわざわざユグドラルにやってきて、レヴィンを生き返らせたのは、 ロプトウスを倒すためです。彼の行動は、「ユグドラルの全人類のため」、 というものですね。 だから、レヴィンの立場で言えば、ぼくとユリアには結ばれて欲しくないわけです。 そのために、さまざまな手でぼくたちの仲を牽制してきました。 1章前編で、ぼくの足を引っ掛けたり、終章でも去り際に戒めの言葉を残したり。 ただ、はじめはぼくたちの仲を喜ばなかったレヴィンも、 最終的には祝福…とは言わないまでも、容認するようになっていました。 その転機になったのが、9章です。 ユリアがさらわれた後、ぼくの精神は干からび、解放軍は行動不能に陥りました。 そんなぼくを復活させるため、レヴィンは止む無く、ぼくにユリアの話をしました。 「ユリアは、お前が好きだと言っていたぞ。」という言葉は、 (その真偽は別として)ぼくにアクションを起こさせる切り札となりました。 それは、ぼくのユリアへの愛を燃え上がらせてしまうという、 レヴィンにとっての諸刃の剣だったのですが…。 ぼくに行動させるのに、ユリア以外の材料が無かったのは、事実でしょう。 5章後編で、「レヴィンが調子の狂いまくった歌をユリアに聞かせていたからなんじゃ…」 とぼくが言うシーンなど、たまにはお茶目な役も担ってくれます。 「バカ殿」というぼくの称号を名づけたのも、レヴィンでしたね。 ・オイフェ オイフェは解放軍の作戦参謀であり、全く戦わないぼくに成り代わり、 実質的に戦場の指揮官であったと言って良いでしょう。 また、セリスを育ててきた父という立場でもあり、 最もぼくについて心を砕いてきた人でもあります。 2章、4章、9章…、要所要所で、ぼくの行動を良く見ていることが分かります。 常識派の一面があり、5章前編でデートに行こうとしたり、 7章前編でトラバントに襲いかかろうとする、ぼくを諌めたりもしています。 ぼくがレヴィンに叱られるとき、よくフォローに回っていたりもしました。 4章後編などですね。 彼の忠誠の対象は、亡きシグルド公子でしたが、ぼくがあまりシグルドに興味を示さないので、 オイフェもシグルドの話をあからさまに引き合いに出す事は少なかったようです。 オイフェは、ティルナノグでずっとセリスを教えてきましたから、 シグルドのようにたくましく成長して欲しい…、と願ってきました。 4章前編や、7章後編でぼくを戦いに出そうとしたのも、そういう気持ちです。 ただ、最終的には、戦闘能力が弱くても、別の強さを身につければ良いのだということに オイフェは気づきました。11章後編で、ユリアを救う戦いに勝ったぼくの姿に、 オイフェも感激し、満足してくれたようです。 ・ラナ ユリア以外の女性陣で、最も物語に絡むキャラクターは、ラナでしょう。 ゲーム中でもセリスとの結ばれやすさは抜群ですが、 この作品でも、ラナがぼくを好き…という設定はあります。 「バカ殿」の要所要所で、ラナはひょっこり顔を出してきます。 5章後編で、ユリアにキスしようとしたぼくに向かって木の切れ端を投げたのが、ラナです。 直後にぼくたちの前に出てきて、にっこり笑ったラナですが、 その心中はかなり複雑だったと思われます。 また、4章中編では、ユリアがぼくの治療で疲れて寝こんだ…とありますが、 実はラナも、このとき必死でぼくを治療して、同様に疲れて眠っていたりします。 …そうでなければ、スカサハたちと一緒にずっとぼくを見守っていたでしょうね…。 ラナの真骨頂が現れるのは、何と言っても11章後編です。 一人でユリアを助けに行ったぼくを心配し、「ついてこないでほしい」という言葉に反して ぼくの後に来てしまったラナ。ぼくに追いついた彼女が見たのは、 倒れて眠ったぼくと、必死に看病しているユリア…、しかもそれは、 例のシーンです(爆)。 ラナがあのシーンを見てしまったのは、ちょっと皮肉な巡り合わせですね。 でもラナは、あわてることなく、ぼくを助ける最善の手段をとってくれています。 …感謝しなければいけませんね。 ただ、その後でユリアをからかってもいます。 完全に身を引くだけではなく、ちょっとだけやり返してもいるんですね。 これが、ぼくのラナのイメージです。 ラナとユリアは、わりと良く似ています。後方支援の杖使いユニットで、 比較的大人しく、穏やかで優しい性格。リライブの杖をユリアにあげるなど、 この二人は結構気が合うようです。 二人の違いのひとつは、「自分」を意識するかしないか…です。 ユリアは、純粋です。ピュアです。「好きな人達、みんなで幸せになる」ことを最初に考え、 行動する…、そこには、細かい打算は一切働きません。 ラナは、自分のためにする行動と、他のみんなのためにする行動とがあって、 それを区別する事があります。「他の人を大切にする」と決めたときの行動は、 非常に献身的ですが、「自分のためにする」行動では、したたかになる時もあります。 どちらが良いか悪いかは、簡単には決められません。 ユリアは、人の気持ち…、特に嫉妬とか打算とか、人間関係が絡み合う複雑な気持ちを 察する事があまりできません。自分が、そういう気持ちを抱かないのですから、 他人がそう思っていることを想像しろと言う方が無理でしょう。 極端な話、ラナがセリスを好きな事に、ユリアは気づいていなかったと思います。 ラナはそういった気持ちに敏感ですが、それが自己中心的な行動に繋がってしまうことが 無いとは言えません…。 ユリアは、幼年期には精神的に恵まれた環境、思春期には孤独に暮らしてきたので、 あまり人との軋轢を経験していなかったのに比べ、 ラナはティルナノグのいたずら小僧どもに囲まれて育ったために、 少しだけ自己中心的な面を出して、生き残る術を身につけた…。 (4章後編でラナが語っているような、帝国兵の迫害も心の裏にはあります…。) それが違いを生んだのでしょう。 「バカ殿」では、ぼくがユリア一筋だったために、ラナの気持ちは気づかれる事は無く、 8章の、ぼくの告白を見た時点で諦めざるを得なかったのですが。 ユリアがいなければ、ぼくの気を引こうとして、 「可愛い女の子」をいろいろと演出したかもしれませんね。 ・ティニー、アーサー 女性陣の中で、ラナに負けず劣らず重要なのが、ティニーです。 一途で純粋な思いを胸に抱き、私利私欲を省みずにどこまでも愛する仲間を思いやって 行動する…、ユリアとの性格的共通点も、かなり多いでしょう。 ただ、ちょっと視野が狭いというか、一途すぎるのが逆に欠点ですが…。 ヒルダたちをひたすら憎んだり、 危険を顧みずにイシュタルの説得に向かったりしてしまいます。 ただ、一人きりでユリアを救おうとしたぼくが言えた義理ではないかもしれませんが…(笑)。 ティニーとぼくとの共通点は、そう言うところにあるのですね。 アーサーは、ティニーとセットで出る事が多いです。 4章後編で語られる、アーサーの「戦う理由」も、ティニーですね。 7章前編で、ぼくがティニーにマジックシールドをしてくれるよう頼んだとき、 すかさず止めに入った(しかも、首根っこを掴んで)とか、 非常に妹思いな兄です。 ・スカサハ、ラクチェ スカサハは、誠実な人柄です。解放軍の仲間の男性キャラを出したいという場合は、 まず最初に彼が出ていますね。序章の冒頭に、いきなり出ていますし。 ティルナノグでともに育ったという設定(ぼく自身はともに育ってはいないわけですが…) によって、セリスとの距離の近さを感じるんですね。 彼とユリアのカップルを推す方も多いですが…。 ぼくは、今一つピンと来ませんねえ。この作品では、サポート役にとどまっています。 まあ、彼らしいのではないかと(笑)。 ラクチェも、スカサハとセットで出る事が多いです。 ぼくの中で、この双子は「強さの象徴」ですね。 序章で、「きみたちで、あいつらをやっつけてくれるかな?」とか、 4章前編でライザ隊との戦いの先陣を切ったりとか。 6章後編でも、「スカサハとラクチェでさえ、戦うときは怖さがあるだろう…」 というような文章があります。 彼らの強さの源は…。4章後編の、ラクチェの「戦う理由」に現れています。 ・シャナン 思ったより出番が少ないですね。スカサハのような「強さの象徴」として、 戦いのシーンで最前線に出たり、7章後編でユリウスに斬りかかったり。 また、ぼくを見守るという、レヴィンやオイフェに似た役目のときもあります。 ・デルムッド 彼の役目も、スカサハに準じます。ティルナノグの仲間という事で。 特に、ぼくの言いたいことを察する心配りに優れています。 4章中編で、夢から覚めたぼくがきょろきょろするのを見て、 ユリアの事を先に話し出したのは、彼の真骨頂ですね。 11章前編でも、ユリアの情報を真っ先にぼくのもとに報告してくれています。 ・リーフ ぼくにとっては、リーダーの見本と言うか、代役候補です。 「トラキア776」では、セリスの立派な指導者ぶりを見せつけられて コンプレックスを抱くリーフですが、「バカ殿」ではそんな心配は無用ですね。 ぼくが解放軍のリーダーになれなくなったら、彼がその役割を果たしたでしょう。 ただし、ユリアを救えたかどうかは、疑問ですが…。 ・アルヴィス 敵キャラクターの中で、最も重要な役を担っているのが、アルヴィス皇帝です。 その理由は…、もちろん、ユリアの父上だから。 彼は、ユグドラルを正しく導く理想を抱きつつも、夢破れ、 名ばかりの皇帝と成り果ててしまいます。ディアドラもユリウスも奪われた、 そんな彼の最後の望みは、ただ一人残った娘、ユリアが幸せになることと、 自分の政治的理想を後世に伝え、後に実現の可能性を残すことの二つでした。 転章では、ユリアの幸せのために、アルヴィスはできる限りの努力をします。 「光への道標」、すなわちサークレットをユリアに託しつつも、 それを使うかどうかは、ユリアの意志に任せました。 転章で、ユリアからぼくの話を聞いたアルヴィスは、ぼくに強い興味を抱きます。 ユリアがぼくを好き…、というのは、親としてしっかりと見抜いたでしょう。 そこで、ぼくの人物像をしっかりと観察することにしました。 アルヴィス皇帝の二つの夢を、ぼくに託せるかどうか、見ようとしたのです。 ぼくがアルヴィスの理想を理解し、継承することができるのか。 それを見極めるために課した試験が、ぼくにアルヴィス自身を殺させること…でした。 結局、ぼくはアルヴィスの後継者になれなかった…、その点では失望しました。 ですが、もう一つの点については、ぼくの言葉を信じてくれたようです。 ユリアを、託してくれた…。そう考えても、良さそうです。 ・ユリウス ユリアにとって、ユリウスはかけがえのない存在です。 同年代の友達が少なかったユリアにとって、ユリウスはそれだけでも貴重な存在です。 さらに、双子でありながら、光と闇とに分かれてしまったユリウスは、 ある意味でユリアと一体不可分な、「鏡に映したユリア」とでも言うべき存在でした。 一番近くて、一番遠い存在…。 もしかしたら、ユリアの方が、ロプトウスを継いでいたかもしれない…。 ユリアの中に、そんな思いもあったかもしれません。 どうにかして、楽しかった子供の時を取り戻したい…、ユリアの中に、 そんな気持ちがずっと残っていたことだけは、間違いないでしょう。 ただ、ぼくにとって、ユリウスは遠い存在です。 ぼくが、彼の心を理解したり、彼の立場に立ってものを考えることはできません。 「ユリアにとって、大切な人」ということは何となく分かりますが、それだけに、 ちょっと嫉妬めいた感情さえ抱いてしまいます。 ぼくとユリアの関係を語るのに、決して無視できない存在ではあるのですが、 何故か…、感情的に、好意を抱けないのです…。 ・その他の面々 ぼくがユリアを好きなのは、基本的に誰が見ても明らかです。 ユリアもまんざらでも無い…、こちらも、鋭い人なら気がついたみたいです。 そのため、ぼくとユリアの仲を冷やかしたりからかったりする面々は、多数登場します。 2章の占い師、5章中編のアクセサリー屋の兄ちゃんなど…。 解放軍の中では、ぼくとユリアの仲は、もはや周知の事実です。 フィーあたりの鋭い人ならぼくたちが出会ってすぐに気づいたでしょうし、 どんなに鈍い人でも、5章でのぼくたちのデートの様子を見て、 否応無く思い知らされた事になります。 8章では、高台の上で堂々と告白を見せられて(…ぼくたちには自覚は無かったわけですが)、 9章後編では、ぼくが「ユリアのために戦う」という宣言を聞き。 11章で、ぼく一人だけがユリアを救いに行くのを見送って、 そして終章では城壁の上でのろけを見せつけられ…。 周囲から見て、(特にぼくが)いちゃつきまくるカップルだったようです。 ただ、ぼくのユリアへの思いに対してだけは、信頼を置いていたようです。 10章のアレスとセティも、それを信じていたからこそ、 「アルヴィスを殺さないで欲しい」というぼくの願いを聞き入れ、 努力してくれたのです。 6.歌について 8章前編と、11章中編で出てきた、ユリアの心を支えたという歌。 以下に、その歌詞を完全な形で再掲載します。 1. あなたはどこ? わたしはだれ? 見知らぬあなたも わたしを探しているの 夢の中のあなた わたしは夢の向こう 目が覚めるともう あなたは見えない 鏡の前のわたし あなたは鏡の奥底 いくら手を伸ばしても 触れられない お日様とお月様 青い海と緑の山 別々に住んでいると ずっと出会えないの? いいえ、 歩き出そう 本当の自分を探すために いつかめぐりあえる 時の交わる場所で そう… あなたは、わたしだから 2. わたしはなに? あなたはいつ? さまようあなたも わたしと手をつなぎたいの 闇の中のあなた わたしは光の向こう ぶつかったらもう お互い消え行く 今を生きるわたし あなたは時の奥底 本当の気持ちに 触れられない にんげんとかみさま 昔のわたしと未来のわたし 別々に生きていると 心は通じないの? いいえ、 歩き出そう 心の地平線に向かって いつかわかりあえる 夢の交わる場所で そう… あなたと、わたしだから 歩き出そう ふたりで手と手をとりあって いつかたどり着ける わたしたちの未来へ そう… あなたは、わたしだから 曲のタイトルは未定です。あまり良い題が浮かばなかったので…。 歌を意識して詩を書いたのは、はじめての経験でした。 まあ、あまりいい出来ではないでしょうが…。 参考にしたのは、武満徹・うた 「島へ」、 大木理沙・オウガバトルイメージアルバム 「Innocense」、 sus4・フォーチュンクエスト 「星の声」、長沢真紀子・エリーのアトリエ 「明日になれば」、 野猿・「first impression」といった歌たちです。 曲調としては、幼いユリアが親しんだ、やさしい童謡をイメージしています。 スローテンポで、ほんわかした雰囲気の曲ですね。 …ぼくがイメージするメロディを、MIDIで作ってみたので、恥を忍んで公開いたします。 (聞かないで、あなたの頭の中だけでイメージしたほうが夢が壊れなくて 良いと思いますが…) ちなみに、MIDI化したのは1番だけです。2番は1番と同じ(サビ部分のみ繰り返し) になります。 「バカ殿セリス様」挿入歌MIDIファイル(9KB) ちょっと、歌詞について語ります。 記憶を失い、孤独になったユリアが、過去を、未来を、大切な人を…、 さまざまなものを求めつつ、それら未知のものへの出会いに不安をのぞかせる…、 それを、二人で乗り越えて行こう…。そんな感じの歌にしました。 「わたし」とは、(現在の)ユリアを指すと思って良いでしょう。 「あなた」は、過去や未来のユリアであったり、神竜ナーガであったり、ユリウスであったり、 ぼくであったりします。 また、「わたし」を、ぼく自身、「あなた」を本来のセリス様として捉える 解釈も成り立つでしょうね。 2番のサビ以降は、11章中編で、ぼくがユリアに向かって歌う、 という形で登場します。 「歌を忘れたら、思い出すのもいい。だけど、他にも方法はある。 …自分の手で、続きを作るんだよ。」 11章中編の、ぼくの言葉です。「歌」の部分を、 「(ユリウスたちと幸せに暮らしていた)ユリアの過去」と置きかえれば、 ぼくの言いたい事が分かってもらえるのではないかと思います。 7.参考文献 この作品は、ネット上の多くの既存のFE小説や、ぼくの好きな小説、漫画の影響を 受けています。それについての話をしましょう。 「日帰りクエスト」(神坂一) 「スレイヤーズ」の作者、神坂さんの書いたファンタジー小説ですね。 ごく普通の女子高生、村瀬栄理が、何かの間違いで剣と魔法の異世界に召喚される…。 そんな中、何の力も無い彼女は、持ち前のずうずうしさと積極性、明るさで、 敵の竜人との争いに自分から飛びこんで行く…。そんな話です。 一般人が異世界に行く感覚…という点で、いろいろ参考にしました。 「東京大学物語」(江川達也) ビッグコミックスピリッツに連載中の、東大受験生(or東大生)たちの恋愛物語です。 この作品の主人公の村上直樹という男、とにかく妄想力が凄くて、好きな相手に対して、 ああもあろう、こうもあろうという何種類もの妄想を瞬時に展開します。 1章後編で、ぼくがユリアに話しかける前の想像シーンや、 5章前編の朝の踊りタイム(笑)、8章前編の「だーれだ?」への応対を考えているシーンなど、 さまざまな場面に、この漫画の描写が応用されています。 「天地無用!」(長谷川菜穂子) 「ラブひな」(赤松健) 「天地」は、小説版ですね。これはどちらも、一言で言って「ハーレム物語」。 主人公が大勢の女の子に囲まれる生活を送り、色々おいしいハプニングを味わいながらも、 気弱で優柔不断なせいで、個性の強烈な女の子たちに対する気苦労が絶えなかったり、 今一つ誰とも恋人になり切れなかったりします。 「手をつなぐ」や必死の看病、「だーれだ?」などのおいしいシーンは、 こういった作品たちからアイディアを頂いています。 (ぴっく様や、ゆりあん様など、ここからリンクを張っているページの小説にも、 「おいしいシーン」は色々勉強させてもらいましたが…。) 「電影少女」(桂正和) これも、高校生の恋愛ものですが、心理描写が色々と深いです。 また、終盤では愛(あい)のために命を張って戦うシーンがあり、 11章あたりで参考にしました。 他にも、多くの作品をもとに、これはできあがっています…。 8.挿し絵について 終章後編では、植木鉢さんに挿絵を描いていただきました。 本当に、ありがとうございます。 ぼく自身は、全くイラストを描けません。描きたいとも思いませんね。 ですが、イラスト化、ビジュアル化に対する憧れというのはあります。 ぼくが小説を書く場合、まずハイライトシーンとして 「こういうものを書きたい!」という場面があるのです。 台詞の場合もありますし、情景、表情の場合もありますが。 そういう想像をしている時、ぼくの脳裏には、ある程度はっきりと そのシーンが浮かび上がっているのです。その中には、想像しているだけで 「ああ…美しいなぁ…」とため息をつくようなものも多いです。 頭に浮かんだそのイメージを、できるだけ文章で伝えようとするのですが、 やはりぼくの技量では限界があります。だからこそ…、 「誰か、この場面のイラストを描いてくれないだろうか…」 そんなことを、つねづね思うのです。 植木鉢さんの挿し絵について、 もう少しコメントをしましょう。 見れば分かる通り、終章後編、ぼくの戴冠式でユリアに求婚(?)した後、 「誓いの証」を立てようとしている場面です。 この後、ぼくの意識はホワイトアウトして、ユグドラルを離れるのですが…。 ぼくが美し過ぎる、というツッコミは厳禁です!(笑) ぼくが、あんなに美しく振る舞えるかは疑問(と言うか、きっぱり無理)ですが、 「セリス様」として見れば、非常に美しいシーンですよね。 背景のギャラリーのあきれた表情にも注目。ぼくの後ろにいるのは、 ラナでしょうか…?この時、彼女がどんな思いなのかを想像してみるのも面白いです。 まだまだ、ビジュアル化したい場面は多いです。 その中の最たるものが、5章と8章ですね。 5章のデート。普段着の夏服のユリア、花のアクセサリーをつけたユリア、 食事風景や楽器演奏、そして夕方の高台。どれも良さそう…。 8章の、トラキアの山頂。「だーれだ?」とか、歌姫ユリアのコンサート、 マジックシールドとぼくの告白シーン、そしてそして、 ユリアがナーガのしるしを見せるところ…。 他にも、1章の出会い、3章の砂漠、4章の悩み、6章のイタコ、7章のスリープと その後、転章の父娘、そして11章の決戦…ほとんど全ての場面が、 イラスト化候補として挙げられます。 植木鉢さんに挿し絵を頂いて、本当に感謝しています。 それ以外にできることが無いのが、悔しいですけれど…。 もしあなたが何かイラストを描きたいと感じたのでしたら、 ぜひお願いしたいと思います。大喜びで、挿し絵として飾らせていただきますよ。 ではこれにて、ひとまず「バカ殿」は終了です。 ご愛読、本当にありがとうございました。 |